内容説明
80年代、少女マンガSFが到達した高み。佐藤史生が遺した仕事をたどる決定版!代表作「夢みる惑星」「ワン・ゼロ」を中心に美麗カラー図版多数。在りし日を知る豪華ゲストによる新規インタビューや寄稿、初公開の手紙や写真などに加え、過去資料も充実。
目次
Illustration Gallery
坂田靖子メールインタビュー
佐藤史生からの手紙
Special Guests 萩尾望都
木原敏江
森脇真末味
佐藤史生かく語りき
徳永メイインタビュー「史生さんは、「夢みる惑星」のイリスのような人です」
妹佐藤史生(佐藤ちよ子)の思い出
佐藤史生短編傑作選 今こそ読もう!佐藤史生作品ガイド
佐藤史生のスケッチブックから
Comics 雨の竜
青猿記
著者等紹介
佐藤史生[サトウシオ]
マンガ家。1950年12月6日、宮城県登米郡(現・登米市)生まれ。1977年『別冊少女コミック』2月号にて「恋は味なもの!?」でデビュー。主に、SF/ファンタジーを得意とする。デビュー以前は萩尾望都や竹宮惠子らのアシスタントをしており、大泉時代に親交を深めた人物としても知られる。2010年に脳腫瘍で死去。享年59歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
122
初めて『夢みる惑星』を読んだ時、文明の滅亡を美しくも鮮烈に描くドラマに圧倒された。また『ワン・ゼロ』は現代を舞台にしながら、シリアスな魔術とハイテクの戦いに引き込まれた。これほど優れた漫画家ながら寡作のまま早逝されたと聞いていたが、総特集シリーズの1冊として全体像を知れる本が出たのは嬉しい。萩尾望都をはじめ豪華な寄稿陣と作品解説、スケッチやインタビューなど初めて読んだ数々の文章まで、久しぶりに佐藤史生の世界を堪能した。本書をきっかけに、今は古本すら少なくなってしまった佐藤作品の再刊や再評価が進んでほしい。2024/08/18
neimu
44
リアルタイムでファンだったかと訊かれると心苦しい。そうではなかったと思う。たまに立ち読みで「おお!」と思ったものの、単行本を買う行為は彼女が亡くなる前後ではなかったか。続編が読みたいと思っていると訃報を耳にした。子供時代から当たり前にあった漫画の続きは、作者の死によって唐突に失われるのだと、改めて実感した。大好きな作家達は幸いご存命で作品を紡いでいる方々が多い。だが、筆を折ってしまった人も沢山いる。こんな風に特集が編まれ、再確認される人の方が少ないのだ。自分自身も先行き短い故にしみじみしてしまう。2024/06/05
ぐうぐう
30
佐藤史生に対する想いや考えは人それぞれだろうが、俺にとって佐藤史生は中性的な存在としてあった。作品から受ける印象もそうだが、長らく新作を発表せず、そしてあっけなく逝ってしまったことでさらにその印象は強まってしまった。このMOOKを読んで、印象は少し修正され、と同時に確信のようなものが強まったのも事実だ。読者として少女漫画にどっぷりとハマりながらも、描き手としては「少女まんがの“縁”あたりにいる」ことを心掛けているとの証言が面白く、納得させられる(あるいは、SFにおけるニューウェーヴを(つづく)2024/07/22
しましまこ
20
「春を夢見し」から追っかけてました。コードウェイナー・スミスも佐藤先生きっかけでした。インタビューやスケッチまで、ありがとうございました。2024/06/15
Shimaneko
17
2024年にこんな特集本が出るとは。突然の訃報に打ちひしがれた過去の自分に教えてやりたい。ありがとう、河出書房新社♡ 萩尾望都の4コマといい、超お久しぶりの森脇真末味といい、坂田靖子や徳永メイのインタビューといい、どれもこれもレア&尊すぎて泣きそう。大泉時代がいちばん楽しかったんだね。。。吉祥寺のギャラリーでの原画展も小規模ながら感無量だったし、次は明治大学の図書館か。もちろん、そっちも観に行くよ‼(鼻息2024/06/14