感染地図―歴史を変えた未知の病原体

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309252186
  • NDC分類 233.06
  • Cコード C0047

内容説明

150年前のロンドンを見えない敵が襲った!大疫病禍の感染源究明に挑む「壮大な実験」と「壮絶な闘い」はやがて独創的な「地図」に結実していく。恐怖や惨劇のなかで進むスリルあふれる探偵劇から、公衆衛生の概念の転換点と、現代都市が抱える共通の問題を多面的に検証する話題作。

目次

下肥屋―八月二十八日・月曜日
目はくぼみ、唇は濃い青色に―九月二日・土曜日
探偵、現る―九月三日・日曜日
肥大化する怪物都市―九月四日・月曜日
あらゆる「におい」は病気である―九月五日・火曜日
証拠固め―九月六日・水曜日
井戸を閉鎖せよ!―九月八日・金曜日
感染地図―その後~現在

著者等紹介

ジョンソン,スティーヴン[ジョンソン,スティーヴン][Johnson,Steven]
「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」「ディスカヴァー」「ワイヤード」など多数の雑誌に寄稿している人気コラムニスト。サイエンス、ソフトウェア、ポップカルチャー、メディアなど、専門ジャンルは多岐にわたる。ニューヨークのブルックリン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりお

48
統計学や環境学、衛生学などの授業で度々登場したジョン・スノー。地図や彼の偉業をさらり、と流しただけなので、これを期に本をとった。地道な現場調査と聞き込み、地図の作成、迷信との闘い。コレラが発生した日から、スノーの説が正しいと認められるまでの日々を書いたストーリー仕立て。淡々と証拠を集めるスノーに、情熱を感じた一冊。2018/01/21

Sam

45
何気なく手にした本だが面白い。時は1854年、人口急増で世界最大の都市となった一方とてつもなく不衛生であったロンドンの一角でコレラの集団感染が発生し、「探偵」たち(実際は医師や牧師)が科学的知見や論理的な推論、徹底的な現地調査によりその発生原因を解明する過程を描いたもの。ミステリー仕立の臨場感溢れる物語になっているところが魅力。後半では、疫学、公共インフラ工事、廃棄物管理等の知識・技能が格段に向上したため大都市はいまや高効率で安全、衛生的になったとし、地球規模での更なる都市化の可能性と脅威を考察している。2021/07/07

みねたか@

35
1854年8月ロンドンで起こったコレラの大発生。病の原因は悪臭を放つ瘴気にあるというそれまでの常識を覆し、科学的な観察、推論、確認により飲料水媒介を証明した医師と教区の副牧師。真相究明、感染防止のため病巣地帯に分け入り聞き取りを重ねていった彼らの勇気と熱意に胸を打たれる。それにしても同年に日本に開国を迫っていた大英帝国の首都が、糞尿が至るところに堆積しテムズ川に垂れ流し放題だったいう事実に驚愕。そして160年を経て「安全な水とトイレを世界中に」が大きな課題であることが切ない。2022/03/04

kinkin

23
19世紀半ばのロンドンで発生したコレラ渦と、コレラの原因を模索する男ジョン・スノーとヘンリー・ホワイトウッド。当時のロンドンにおける劣悪な衛生状態と共に彼らの活躍が書かれている。迷信と通説に惑わせられる 世論との戦いぶりが物語風で、一気読みしてしまった。2014/02/17

シルク

20
寝る間も惜しんで読んだ(´Д`) 1854年ロンドン8月28日。「街の住民たちが暑い夏の夜に最後の一眠りをむさぼろうとしていた午前六時ごろ、ルイス家の赤ん坊は嘔吐と鼻を突くようなにおいのする水っぽい緑色の下利便を出しはじめた。…(中略)…医者が来るのを待っているあいだ、サラは汚れたおしめを生ぬるいバケツの水につけて洗った。赤ん坊がほんの数分眠ったときを見計らって、サラ・ルイスはブロード・ストリート四十番地の地下室に行き、家の正面側にあった汚水溜めにバケツの水をあけた。/これがはじまりだった。」(p.33)2018/01/29

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