出版社内容情報
難解なガタリの思想を柔らかに解きほぐしそのエコロジカルな可能性を開く。初のガタリ入門にして著者の思想の達成。21世紀の指標。
上野 俊哉[ウエノ トシヤ]
1962年生まれ。和光大学教授。著書『思想の不良たち」『思想家の自伝を読む』『ディアスポラの思考』など多数。
内容説明
自然、主体感、機械状アニミズム、カオスモーズ、地図作成、リトルネロ…難解なガタリの思想を解きほぐしながら、宇宙へと開かれたその思考の核心と可能性をさぐり来たるべき分子革命としてのエコソフィーを展望する“全‐世界”リゾームの哲学。思考の前線とストリートを往還してきた“思想の不良”による未来へのマスターピース。
目次
序章 なぜエコロジーか?ガタリとは誰だったか?
第1章 自然を再考する(仕組みとしての自然;アンビエンスとしての主体感;機械状アニミズムと反自然の融即)
第2章 エコソフィーとカオソフィー(分子革命からエコソフィーへ;カオスとカオスモーズ;潜在性と記号)
第3章 分裂生成の宇宙(美的なものと地図作成法;DSM‐V、あるいは発達原理の彼方に;リトルネロと音楽のエコロジー)
終章 ブラジルと日本を横切って…“全=世界”リゾームへ
著者等紹介
上野俊哉[ウエノトシヤ]
1962年生まれ。和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
13
本邦初の平易に語られたガタリ入門書。「(パスタを仕上げるさいのソースとからめる前にオリーブ油と茹で汁を使って乳化させる場合にも…平滑化による脱領土化を見いだすことができる…)」のかはよく分からないが、多くの抽象概念を丁寧に確認しながら現実での作動場面を見る語り口は新鮮。主体と客体よりも前に様々な欲望や機械の動的編成(個人的にはこちらの訳語の方を支持)が機能しているとするガタリの世界観を踏まえて主体感などの語を検討したり、アニミズムや発達障害・自閉症etcまで論点が拡散して、平易な文体でもやっぱりガタリ的。2017/03/17
磊落のい
4
ガタリの入門書に最適だと思いました。ガタリの視点がわかりやすく書いてあり、著者もあとがきにおいて「「三つのエコロジー」「カオスモーズ」については、専門家でない方にも、見通しが示すことができたと思う」と言っています。「誰もが分裂生成的な、プロセスの中にあり、そこで競い合ったり、助け合ったりを繰り返し、同時にカオスモーズを生きている。295p」2016/12/03
井蛙
0
魅力的だが難解なガタリの読み方とアクチュアリティを勉強するにはいい参考になると思う。2017/08/02
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