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出版社内容情報
プラス思考が至上命令とされ、なんでもかんでも「ポジティブ・シンキング」で思考停止に陥っているアメリカの、笑うに笑えない病根を鋭くえぐる!「ニューヨーク・タイムズ」紙も絶賛!
内容説明
何でも「プラス思考」で本当にいいのか?「ポジティブ・シンキング」という病魔に冒され思考停止に陥っているアメリカ―ただひたすら前向きであることを求められる国の病根を鋭くえぐる。
目次
第1章 微笑みで死を遠ざける?―がんの前向きなとらえ方
第2章 望めば何でも引き寄せられる?
第3章 歴史から見る、アメリカ人が楽観的なわけ
第4章 企業のためのモチベーション事業
第5章 神はあなたを金持ちにしたがる
第6章 ポジティブ心理学―幸せの科学
第7章 ポジティブ・シンキングは経済を破壊した
第8章 ポジティブ・シンキングを乗り越えて
著者等紹介
エーレンライク,バーバラ[エーレンライク,バーバラ][Ehrenreich,Barbara]
1941年モンタナ州生まれ。ハーパーズ誌やネイション誌などに寄稿し、ニューヨーク・タイムズ紙やタイム誌のコラムニストも務める
中島由華[ナカジマユカ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
67
本書ではポジティブシンキングについて、歴史上どのように発展してきたのかを調べることにより、こういう思考法をむやみに用いれば破壊的な事態にもなりかねないことを警告している。アメリカの歴史において企業、宗教、人がポジティブをどう売り、どう買うのかが書かれている非常に面白い一冊。2018/07/08
harass
54
新書『読書で賢く生きる』から手に取る。著者は本人自身の乳がん治療体験とその言説に対する違和感から論じる。ポジティブシンキングという自己啓発の考え方の歴史と問題点などの本。19世紀にアメリカで生まれたニューソートという、厳格なカルヴァン主義への反発で生まれた考えが最初だという。現世利益の追求を善とするこの系譜は「引き寄せ」「思考は現実化する」などに繋がる。結論として、当たり前の話だが、現実主義、現実を冷静に見ていくことだと著者は述べる。アメリカ史について少し説明が欲しいところがあるが小気味よく感じた良本。2016/06/24
トクン…
12
なんだか言葉があまり入ってこなかった。 理解できたのは、この方が乳がんになった経験からアメリカ全体がポジティブ病にかかっているのではないかと感じたこと。たしかに、何でも深く考えずその場しのぎで行動する人は信用できないし、もっと深く考えろよとは思うが、ネガティブに考えすぎるのも良くない。ちょうどいい塩梅を私は探す!2021/05/26
Ecriture
10
アメリカに限ったことではないが、現代ではポジティブ・シンキングなる病が流行している。ポジティブ・シンキングは、自己責任を際限なく増大させて自らに罪の意識を植えつけるものであり、金に目がくらんだ「企業牧師家」のカモになることであり、果てはリーマンショックのような破滅を生むことである。自己中心的で孤独なポジティブ・シンキングの世界をアメリカの歴史や宗教性と絡めて軽やかに論じている。2010/07/15
RmB
9
タイトルを、「ポジティブ病の国、日本」としたら某居酒屋チェーンを筆頭に過労死、過労自殺の本ができあがる。ポジティブ思考の末路がブラック企業ではないでしょうか?2014/02/14