内容説明
『夜と霧』の訳者でもあり、わが国の臨床心理学・心理療法の草分け的存在でもある霜山氏が「人生最後の著作」という万感の想いを込めて、自らの「夜と霧」に塗り込められた半生を振り返る。
目次
私の「夜と霧」(そんなに昔ではない;茂吉の抵抗 ほか)
心理療法の時間(心理療法の時間;根本原則 ほか)
生と死(此岸性のはて)
死に臨む人々(生命の中に潜む死;死生観の文化差 ほか)
著者等紹介
霜山徳爾[シモヤマトクジ]
1919年東京に生まれる。1942年東京大学文学部心理学科卒業。宗教哲学、心理学専攻。上智大学名誉教授
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感想・レビュー
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劣リーマン(備忘録)
2
戦後日本の倫理観を支え、同時に良質な出版社であるみすず書房を支える柱となった『夜と霧』(V・E・フランクル)の訳者である臨床心理学者が、自身の戦時体験を語った本。『人間の限界』等の名著で見られる博覧強記の詩的雄弁は抑え気味、時に「語りたくない」と口ごもる箇所すら少なくない点から窺える戦争の悲惨、★★★★。2016/10/21
ユッコちゃん
0
臨床心理学者の交友や臨床体験を通し、老や病に向き合う人に寄り添うことを、宗教や哲学、看護学の観点からも考えさせられる書物。2021/04/25