倫理―“悪”の意識についての試論

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309243016
  • NDC分類 150.4
  • Cコード C0010

内容説明

“不死なるもの”に死すべき者として踏みとどまれ!ジジェクらに大きな影響を与えたフランス哲学界の鬼才・バディウがあらゆる善‐悪をめぐる議論を破砕する思考の炸裂弾、名著ついに翻訳。

目次

第1部 人間は実在するか?(“人間”の死?;人権の倫理的基盤 ほか)
第2部 他者は実在するか?(レヴィナスの意味での倫理;「差異の倫理」 ほか)
第3部 倫理―ニヒリズムの形象(倫理―必然性の従者;倫理―死の「西欧的な」統御 ほか)
第4部 諸真理の倫理(存在、出来事、真理、主体;真理の倫理の形式的定義 ほか)
第5部 “悪”の問題(生、複数の真理“善”;“悪”の実在について ほか)

著者等紹介

長原豊[ナガハラユタカ]
1952年生

松本潤一郎[マツモトジュンイチロウ]
1974年生
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

吟遊

10
ニーチェばりに元気のよい哲学書だと思う。下敷きにしているのは、とくにドゥルーズ、ほかラカン、デリダといった現代フランス思想の系譜。しかし、わかりやすくはっきりと「これが〜だよ!」と明言することの少ない現代フランス思想のなかにあって、「真理の過程」「善」「悪」「不死なるもの」といった概念を、肯定的かつ明確(抽象的な言葉ばかりではあるものの)に定義して、どうだ!と胸を張るところは威勢がよくて楽しい。反面、どこか厭世観漂うのは仕方ないのか。シニカルさも覗く。2016/06/29

hitotoseno

6
あのジル・ドゥルーズを向こうに回してテメーは差異の哲学を標榜してるけど俺のほうがずっと差異について考えてるもんね、と言えるくらいの男であるバディウにとっては世にはびこるエセ倫理家を皮肉ることなど朝飯前である。倫理の名のもとに他者を「弱き者」として描き出す者どもは結局のところ自分の都合の良いように他者を表象しているだけで、むしろ彼らこそ他者の尊厳を貶めているに過ぎない。要はお前らの愛せる他者だけを愛して、愛せない他者には罵声を浴びせるしかできないんだろう? と果敢にも言ってのける姿には溜飲が下がる。2016/05/28

大ふへん者

2
初バディウ。旧来の「倫理=人権」は普遍的な人間を主体と前提している以上、倫理「一般」などありえない。それは倫理「一般」で想定されている抽象的な主体などないからだ。あるのは情勢によって主体になろうと呼びかける動物だけである。真理ではなく見解だけが問題となっている。倫理的な主体と出来事の内在的切断について。2014/04/21

ぽんぽこ

1
初読み。2割も理解できなかったのが悔しいです。悪の特異性は政治や文化の特異性と切っても切り離せない、ってこと……ですかね。私たちはさまざまな差異(違い)を尊重できるけど、尊重できない差異は容認できなくて、それを悪と定義する?うーん……もっと深く理解したいので、時間を置いて再読したいです。もっと修行してきます。2023/06/24

KA

1
7年ぶりの再読。初読時は2割程度の理解、今回は4割程度は理解できた。1993年時点でのポスト冷戦状況の、ex第一世界フランスからの仮面の告白。ベイトマンとダーデンを架橋する哲学。いや、所詮は四割程度の理解ですが2020/04/17

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