天台維摩経疏の研究

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天台維摩経疏の研究

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  • サイズ キク判/ページ数 429p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784336061140
  • NDC分類 183.6
  • Cコード C3015

出版社内容情報

天台大師智?の最晩年に撰述され、親撰に準じる価値を持つとされる天台維摩経疏の歴史・テキスト・思想を総合的に論じる初の試み。天台智?(538-597)の親撰に準じる価値を持つとされる天台維摩経疏。それは智?の最晩年、のちに隋の煬帝となる晋王広(569-618)の依頼を受けて撰述された『維摩経玄疏』6巻と『維摩経文疏』28巻(最後の3巻は章安灌頂)からなる一書である。過去には散逸の危機にも見舞われた本疏には、単なる『維摩経』の註釈という枠を超えて天台教学における重要な教義が詳説されるほか、他の文献には見られない特色ある説が見られるため、近年学界の注目を集めている。本書はその天台維摩経疏の歴史・テキスト・思想を多角的に論じる試みである。
第一部では、史的観点から天台維摩経疏を考察する。
第一章では、インドから中国に至る維摩経受容史を概観し、智?と『維摩経』との接点を探る。その上で、天台維摩経疏の成立に至るまでの経緯を近年の議論をふまえ論じる。
第二章では、天台維摩経疏が伝えられてきた経緯を、中国と日本に大別して明らかにする。
第二部は、第一部で明らかとなった流伝の問題をふまえ、思想研究にあたっての基盤を整えるべく、文献学的考察をおこなう。
第一章では、現存テキストを可能な限り調査し、系統や所在を整理する。
第二章では、智?が理解した経文の特質を論じる。撰述当時より挿入されていた可能性が高い『文疏』の経文を『維摩経』の主要な古写本および入蔵テキストと比較・検討し、鳩摩羅什訳出時のテキストを復元する方法を探る。
第三章では、荊渓湛然(711-782)が『文疏』の内容を変えることなく略述した『維摩経略疏』10巻の考察から、湛然の文章削略の手法を明らかにする。
第三部では、経文解釈の中核となる教学を取り上げる。
第一章では、先行して撰述された別行本の『三観義』との比較から、天台維摩経疏が推敲を重ねて成立したことを明らかにし、『文疏』だけに説かれる通相三観説の特徴を論じたほか、『法華文句』に説かれる四種釈の成立過程を『文疏』の解釈法から考察する。
第二章では、『玄疏』の中心的解釈方法である五重玄義のうち、体・宗・用の三玄義に着目し、解釈の特徴や影響関係を検討する。『維摩経』解釈にあたり諸経の教説を柔軟に取り込んだ智?の釈風を明らかにする。
第三章では、他師と比べて智?に特徴的な語義解釈や分科、および「普集経」という智?が『維摩経』の序経とする謎の経典に着目し、智?の『維摩経』理解の特色を論じる。
第四部では、天台維摩経疏に底流する智?の思想を問うべく、より総合的な視点から考察する。
第一章では、『維摩経』の解釈に『法華経』を用いる例を考察する。『維摩経』という代表的大乗経典に依拠した仏教概論としての天台維摩経疏の性格を明らかにする。
第二章では、智?が仏道品第八までの註釈で区切りをつけたことの必然性を註釈内容から検討し、天台維摩経疏の複雑な成立過程の問題に思想的な観点を加える。
天台維摩経疏をはじめて総合的に論じる本書は、天台学にとどまらず、智?の生きた隋代仏教を研究する上でも必読の書であろう。

 はしがき
 凡 例
序 論
第一部 天台維摩経疏の成立と流伝
 第一章 成立に関する諸問題
 第二章 流伝に関する諸問題
第二部 天台維摩経疏のテキストとその問題
 第一章 天台維摩経疏の現存諸本
 第二章 『文疏』所引の『維摩経』経文の特質
 第三章 『略疏』よりみる湛然の『文疏』削略の特質
第三部 天台維摩経疏の教学とその特質
 第一章 経典解釈法の形成過程
 第二章 『玄疏』にみる『維摩経』の体・宗・用
 第三章 智?の『維摩経』解釈とその特色
第四部 天台維摩経疏をめぐる諸問題
 第一章 法華思想の展開とその特質
 第二章 思想的側面よりみる成立の諸問題
結 論
 あとがき
 初出一覧
 参考文献一覧
 英・中・韓要旨

山口弘江[ヤマグチヒロエ]
1974年、東京都生まれ。駒澤大学大学院修了。博士(仏教学)。
韓国金剛大学校仏教文化研究所HK教授を経て、現在は駒澤大学仏教学部講師。
専門は中国仏教、天台学。
著書に、『蔵外地論宗文献集成』『蔵外地論宗文献集成 続集』(共著、ソウル:CIR)、『新国訳大蔵経 続高僧伝 I』(共訳、大蔵出版)などがある。

目次

第1部 天台維摩経疏の成立と流伝(成立に関する諸問題;流伝に関する諸問題)
第2部 天台維摩経疏のテキストとその問題(天台維摩経疏の現存諸本;『文疏』所引の『維摩経』経文の特質 ほか)
第3部 天台維摩経疏の教学とその特質(経典解釈法の形成過程;『玄疏』にみる『維摩経』の体・宗・用 ほか)
第4部 天台維摩経疏をめぐる諸問題(法華思想の展開とその特質;思想的側面よりみる成立の諸問題)

著者等紹介

山口弘江[ヤマグチヒロエ]
1974年、東京都生まれ。駒澤大学大学院修了。博士(仏教学)。韓国金剛大学校仏教文化研究所HK教授を経て、現在は駒澤大学仏教学部講師。専門は、中国仏教、天台学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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