内容説明
元禄時代、勃興する商人が国の富を支配しはじめたころ、一人の番頭がまがいの市井の学者が、「商人の商人による商人のための倫理」を説いた。石田梅岩と石門心学。いま、国際化と長期低成長時代に入り、新たな企業経営の理念を模索する経済人に、江戸時代の商人道徳の教えと精神が、新鮮な光を放って、現代資本主義の進むべき道をさし示す。一人の中小企業主が、豊富な体験と長い思索の果てに到達した経営者・ビジネスマンのための実践的経営哲学入門。
目次
初発渾沌
商売は詐欺横領の一歩前か
商売は道徳なり
商売は芸術なり
温故知新
千両役者(黒子商い;お客様は神様ではない;安定の中の不安定;石油危機;OPECの砂嵐;人事部;単身赴任;転勤命令;商人と政治;政見と先見;遺言状と後継者;養心得利;世界の助け;ありべかかり)
結び―心の花
『都鄙問答』商人訓
石田梅岩関係年譜