出版社内容情報
「ロンギヌスの槍」「聖杯」など、キリストゆかりの遺物に秘められた奇跡譚の由来とは?世界が熱狂した伝説を解明!
内容説明
磔にされたキリストを刺した槍、最後の晩餐で使われたワインの杯…。これら聖遺物は奇跡を呼ぶと信じられ権力者や教会は入手しようと競った。ミステリアスな伝説とダークな側面を秘めた数々の聖遺物は世界をどう動かしたのか?知られざる真実を明らかにする!
目次
1章 ミステリアスな物語とともに語り継がれる―聖遺物とは何か
2章 ロンギヌスの槍・聖杯・聖十字架―三大聖遺物の伝説
3章 権力者も教会も入手しようと競った―キリストの様々な聖遺物
4章 キリスト教の発展とともに浸透した―聖遺物礼拝の歴史
5章 高名な聖遺物を求め、人々は旅に出た―巡礼ブームと教会
6章 聖母マリアからマグダラのマリア、ザビエルまで―聖人・聖女の聖遺物
7章 民衆・教会・権力者、それぞれの思惑とは―聖遺物信仰の意味
終章 「中世史」のイメージがくつがえる―聖遺物探究の魅力とは
著者等紹介
杉崎泰一郎[スギザキタイイチロウ]
1959年、東京都生まれ。上智大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。藤女子短期大学助教授などを経て、中央大学文学部教授。博士(史学)。西洋中世史を修道院や教会を中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
10
特に信心深いわけではないが、宗教関係には多少興味がある。聖遺物とされる「ロンギヌスの槍」「聖杯」「聖十字架」を中心に、キリストやマリア、キリストの弟子たちと各地の聖人ゆかりの物がいかに生まれ、教会と王権がいかに利用し、時には争ったかを伝承とともに詳述した書。一神教で偶像崇拝否定のキリスト教が、「グレーゾーン」である聖遺物をいかに教義との矛盾を回避したか、また民衆が聖遺物にすがる心理を明快に解き明かす。それにしても、遺骨や遺髪はまだしも血液まで祀られているとは驚き。2022/06/27
スプリント
7
布教を加速し信仰を深めさせるためのチートアイテムという意味合いが強いと感じた。 仏教も仏舎利(真舎利)が世界各地にあるし定番の手法なのだろう。2024/12/16
たかぴ
5
教会の名は聖人由来が多く、その遺物を聖体拝領に使う所もある。その聖遺物を(教会)が盗む、強奪するのは善とされてきた話しとかオモシロー。そしてロンギヌスもロンバルディアの鉄王冠も、思ってたより不正確で身元不明の御伽に近かったな。概念としては有効だが。2022/06/18
ろばみみ
3
聖書や中世に関心の薄い層を対象に書かれた本なのだろうか。奥歯に物の挟まったような物言いというか、無理に現代日本の文化やサブカルになぞらえる書き方がむずむずした。 また、聖人信仰については、昔はキリストに直接祈ることは不敬であり、聖人に祈りを取り次いでもらう形式が根付いていたと思うが、取り次ぎの祈りについてほとんど言及がないのも違和感を感じた。 さらに蛇足ですが、著者に言いたい。指輪物語は宝物探求説話ではなく宝物を捨てに行く話ですよ。一緒にしないでください。2023/05/05
Go Extreme
2
ミステリアスな物語とともに語り継がれる―聖遺物とは何か ロンギヌスの槍・聖杯・聖十字架―三大聖遺物の伝説 権力者も教会も入手しようと競った―キリストの様々な聖遺物 キリスト教の発展とともに浸透した―聖遺物礼拝の歴史 高名な聖遺物を求め、人々は旅に出た―巡礼ブームと教会 聖母マリアからマグダラのマリア、ザビエルまで―聖人・聖女の聖遺物 民衆・教会・権力者、それぞれの思惑とは―聖遺物信仰の意味 「中世史」のイメージがくつがえる―聖遺物探究の魅力とは2022/05/23