内容説明
侍医を絞殺して自殺した狂王という烙印を押されてきたバイエルン王ルードヴィヒ二世。この才気溢れる美しい王が、どういう背景で、どうして死なねばならなかったのか。陰謀渦巻く歴史の中で封印されてきた真実を追い求め、悲劇の王の生と死の実相を明らかにした、真説・ルードヴィヒ二世。
目次
白鳥の湖のように
妖精の城(ニュンフェンブルグ城)
「父親」、皇太子マキシミリアン
王子ルードヴィヒの生い立ち
ローエングリーン
リヒアルト・ワグナー
キッシンゲン
都の動揺
普墺戦争
ルードヴィヒと女性
旅
「ニュルンベルグのマイスタージンガー」
普仏戦争
バイロイト
失った友を探して
城の時代
悲劇の終幕
沈黙の湖
ポーのなかに私がいる…遺言に代えて
著者等紹介
シュミット村木眞寿美[シュミットムラキマスミ]
1942年東京生まれ。早稲田大学大学院(芸術専攻)修了後、ストックホルム大学に留学。69年よりミュンヘンに在住して執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫草
7
ルードヴィヒのなまえには、「狂王」ってつくことが多いのですけど、筆者はルードヴィヒは狂ってなどいなかったという立場そので一生を描いています。最初からルードヴィヒに対して強い思い入れがあるようで、王への愛が溢れてるので、かえって公平に書かれてるのか疑問なところもありますが。彼を精神病だとして退位させもしかしたら殺したのは、その後王を継いだ側で、その家系が今も続いているのでしたら、真相はなかなか明らかにできないでしょうから、このように状況証拠を積み重ねるしかないのでしょうね。焦れったいですが。2016/02/11
m
5
宝塚版エリザベートにはまり、彼女に関する書籍を読んでいて知ったルートヴィヒ二世という悲運の王。まともに親の愛を受けずに育ち、周りには自分を貶めようとする大人ばかり。多少情緒不安定になるのも仕方ない生い立ちだろう。王の生前の様子や近しい人達のその後を見る限りやはり自殺ではなく殺されたのだろうと思う。生まれた国や時代が違えば楽しく生きられたかもしれないのに残念なことだ。日本にこんな王様がいたら絶対面白いのに。2019年60冊目。2019/06/11
Ighen
3
日本の書物の中ではかなり細かく、ノイシュバンシュタイン城やリーデンホーフ城、ヘレンキムゼー城などを知るのにも大変便利でした。2012/11/02
haruko
1
今までにもルードリッヒの本も読んだし、映画も見たし、彼の生涯は大体のあらましは分かっているのだが、それでもきちんと通して読みたいといつも思っていた。この本は、まったく淡々と史実を語るだけの歴史小説だが、それでもやはりルードヴィッヒの生涯は謎のまま。彼が狂ったのか正常なのか最後はこの本を読んでも闇の中。2014/08/28
みかさ
1
非常に細かく書いてあり、読みやすく死の真相は謎のままですが、楽しめました。2012/09/21