ドクトル・ガーリン

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ドクトル・ガーリン

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  • サイズ A5判/ページ数 472p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309209326
  • NDC分類 983
  • Cコード C0097

出版社内容情報




【目次】

内容説明

国家が分裂し断片化した近未来世界。プーチン、トランプ、メルケル、アベなど、尻のような姿をしたG8元首脳のクローン(pb=政治的存在)たち。彼らを治療するサナトリウム院長ドクトル・ガーリンは、アルタイ共和国への核攻撃をきっかけに、北へ向かうことを決意する。身の丈3メートルを超すバイオ巨人、バービー人形のような女神を信奉する〈自由〉という名のアナーキストキャンプ、帝政期ロシアの貴族のように暮らす伯爵一族、カザフスタンから来る麻薬販売キャラバン、多種多様な人間的存在が登場する見世物サーカス、白いオオガラスへの崇拝…。『青い脂』『氷三部作』『吹雪』など、圧倒的な想像力で世界を震撼させてきた作家が描く愛の物語。

著者等紹介

ソローキン,ウラジーミル[ソローキン,ウラジーミル] [Sorokin,Vladimir]
1955年ロシア生まれ。70年代後半からモスクワのコンセプチュアリズム芸術運動に関わる。85年、当時のソ連を象徴する風景を戯画化した作品『行列』を発表し、欧米で注目を集める。2010年には『氷』でゴーリキー賞、『吹雪』でNOS賞受賞。英語圏などでも高く評価され、2014年度国際ブッカー賞最終候補。2020年には『吹雪』でスーパーNOS賞受賞

松下隆志[マツシタタカシ]
1984年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。岩手大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

64
舞台は近未来。隣国との戦争で戦争難民となったドクトルの旅を追って物語が進みます。自分の意志と未来を信じる彼と多様な世界を巡るその旅はある種の寓話のようで楽しいばかり。最後、世の不条理を凝縮したような世界で彼は未来を希望することをやめますが、ある魔法で自分の世界と未来への希望を取り戻します。ただ元の世界も戦争と伝染病が蔓延する不安定な「現在や将来への確信が失われ」た世界なのですが、最後彼はその世界を「宇宙でいちばん素晴らしい」自分の世界だと肯定し受け入れて、美しい愚かな世界と人間への賛歌を聞くようでした。2026/07/24

藤月はな(灯れ松明の火)

56
戦争が絶えない世の中に背を向け、恋人、マーシャといちゃつきながらもサナトリウムで2015年代G8リーダーのクローン達の精神疾患を治療するという平穏な日々を送っていたドクトル・ガーリン。しかし、サナトリウムの近くに核爆弾が落とされた事によって彼らは逃避行を余儀なくされる。箱庭世界から混沌とした世へ飛び出した彼らの命運は如何に!?相変わらずの下品オンパレードだが、かなり、読みやすくなっている。前作『吹雪』のセルフパロディがありつつも全く、違う読み心地になっているし、作中作が幾つもあるので一粒で何度も美味しい。2025/12/29

姉勤

39
著者初読。本作は3部作の真ん中と。現代ロシア世界に対する皮肉、諧謔、批判は感じたが、話の荒唐無稽ぶりに「?」マークの連続で自分向けでは無かった。かつてのG8経験者が某任天堂のカービー(ニコちゃん大王)の様なミュータントとして入院しているサナトリウムの、チタン義足の医師ガーリンが、核戦争を避け転々と流浪する物語。ロシアの少数民族問題、シベリア抑留を代表とした拉致強制奴隷労働、民族紛争、対外戦争等の諸問題を混ぜ込んだ、おおよそ短文で要約できない代物。逗留先で何かとモテる主人公のため、まぐわいの描写は多数多様。2026/05/28

そふぃあ

22
分厚さ(二段組450p超)よりも値段(税抜¥5200)に覚悟を試された。ニコちゃん大魔王みたいな容姿の大物政治家たちのクローンが出てくると聞いたので政治色の強い話かと思ったら彼らは中盤で退場。正統派?な近未来SFロードノベルだった。ずっと面白い話が続くのでいつ梯子を外されるかと構えていたが、話は最後まで一貫して面白かった。特に白いカラスの章がめちゃくちゃ面白くて一気読みした。ここだけで独立した話にできる出来栄えと思う。2025/09/26

ポテンヒット

12
前作「吹雪」で傲慢だったガーリンが人間らしさを取り戻したのはセキコフとの事があったからだろう。今までのガーリンは生き急いで働く現代人の象徴でもある。しかし、平穏な日々は長く続かず、色々なものに巻き込まれ、巨人や小人、ゾンビにミュータントまで現れてソローキン流の指輪物語が始まる。その中にロシアの歴史や戦争、文学が組み込まれている。戦争は突然始まり、人があっけなく死んでゆく。今の戦争を表しているかと思ったが、発行は2021年。ガーリンが本や文字を読む場面が度々ある。→2026/09/08

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