内容説明
思春期の通過儀礼たるロマンチックなプロムの顛末を描く表題作のほか、クールな殺人兵器レッド・ライダーBB銃をめぐるクリスマスの思い出、恋に疼き目が霞んだわたしが提出した「読書感想文」が招く思わぬ波紋、無敵の喧嘩ゴマが嵐を吹き寄せる運動場の決闘、隣家に越してきたポーランド人の女の子に誘われたパーティの行方、レモンツイストみたいな微笑みを浮かべる「最高の女の子」とのデートなど、1960年代の「プレイボーイ」誌で活躍した個性的ユーモア作家の傑作を精選。日本オリジナル作品集。
著者等紹介
シェパード,ジーン[シェパード,ジーン] [Shepherd,Jean]
1921年シカゴ生まれ。ラジオやテレビ番組のパーソナリティとして人気を博し、1970年代の「プレイボーイ」誌の常連寄稿者として多くの短篇を発表する。ノスタルジアにあふれたユーモア物を得意とした。シオドア・スタージョンとの共作も名高い。本書が本邦初の作品集。1999年没
若島正[ワカシマタダシ]
1952年生まれ。京都大学名誉教授。英米文学研究者、詰将棋・チェスプロブレム作家
浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生まれ。英米文学翻訳家。SFを中心にエンターテインメント作品の翻訳を数多く手がける。2010年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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garth
7
「後の世代の子供たちは、あまりロマンチックな生まれ育ちの産物ではなく、生まれたときからサンタクロースを冷笑する不信者なので、本物の夢というもののの本質をわかっていないのではないかとよく思う。わたしがイースター・バニーに見切りをつけたのは二十歳をとうに過ぎてからのことだったし、それで豊かになったかというとそうとも言い切れない」2025/01/13
GO-FEET
4
◆いかにも〈プレイボーイ誌〉に掲載されていた短篇という感じが懐かしい…… ◆個人的には、連作になっている〈プロム〉の話が好き ◆装丁が洒落ていて、とりわけMISSISSIPPI氏によるカバー画が素晴らしい! 2025/02/10
Mark.jr
4
奇妙さとノスタルジーと皮肉とSF(少し不思議)のミックスジュース。スタージョンと共作していたと聞くだけで、分かる人にはどんな作風か分かるでしょう。アメリカ文学の一種の伝統工芸というか。2025/01/07
RedDirtMarijuana
0
なんてステキなんだ2025/02/25