フィネガンズ・ウェイク 1・2

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フィネガンズ・ウェイク 1・2

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  • サイズ A5判/ページ数 480p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784309209005
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

文学史上に燦然と輝く金字塔
初の完訳単行本版、待望の復刊!

翻訳不可能とされた不滅の奇書に挑んだ画期的訳業



柳瀬さんの翻訳は、日本語の表記の多様性をじつにダイナミックに利用しています。はじめ意味において不連続に感じられた文章が、それでもひとつごとの言葉に向けての楽しみにみちた集中のおかげで、そのうち意味のしっかりした脈絡がつかめてきます。
──大江健三郎(「門前の構造」『フィネガンズ・ウェイク Ⅰ』文庫版序文より)

名訳者と言える人は何人もいるが、化け物と呼べるのは柳瀬尚紀だけだ。
──柴田元幸



僕は夜の本を書こうとした。曖昧になるのはあたりまえだ
──ジェイムズ・ジョイス



[原文冒頭]
riverrun, past Eve and Adam’s, from swerve of shore to bend of bay, brings us by a commodius vicus of recirculation back to Howth Castle and Environs.

 川走、イブとアダム礼盃亭を過ぎ、く寝る岸辺から輪ん曲する湾へ、今も度失せぬ巡り路を媚行し、巡り戻るは栄地四囲委蛇たるホウス城とその周円。



特徴
◎世界文学最大の迷宮的奇書を完全翻訳
◎数千年の人類の全歴史を酒場の家族の一夜の夢に圧縮した抱腹絶倒、複雑怪奇な傑作
◎『ユリシーズ』著者が最後に遺した夢言語の小宇宙
◎文学のみならず現代の芸術に影響を与え続けている
◎60数か国語で書かれたとされる原典を日本語で表現
◎漢字・ひらがな・カタカナ・ルビという日本語の特長を駆使
◎注を一切使わず、全編総ルビを施す



【著者紹介】
ジェイムズ・ジョイス(James Joyce)

1882年生まれ。アイルランドの作家。20世紀の世界文学を代表する作家。ダブリンのユニヴァーシティ・カレッジ卒業。30歳で母国を出てからは、パリ、トリエステ、チューリヒなどを転々とする。主な著書に『ダブリナーズ』『若い芸術家の肖像』『ユリシーズ』『フィネガンズ・ウェイク』など。1941年没。


【訳者紹介】
柳瀬尚紀(やなせ・なおき)

1943年根室市生まれ。早稲田大学大学院修了。
英米文学翻訳家。主な訳書に、J・ジョイス『ユリシーズ1-12』『フィネガンズ・ウェイク』『ダブリナーズ』、L・キャロル『不思議の国のアリス』、J・L・ボルヘス『幻獣辞典』、E・リア『完本 ナンセンスの絵本』、R・ダール『チョコレート工場の秘密』、D・バーセルミ『雪白姫』、D・R・ホフスタッター『ゲーデル、エッシャー、バッハ』など。主な著書に、『日本語は天才である』『翻訳はいかにすべきか』『フィネガン辛航紀』『辞書はジョイスフル』『ユリシーズのダブリン』『翻訳困りっ話』など。2016年没。