アメリカーナ

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  • サイズ B6判/ページ数 538p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309207186
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

国境に引き裂かれた恋人達が母国で再会する。人種、アイデンティティ、国家といった問題を絡めて描く壮大なスケールの移民の物語。

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ[アディーチェ,チママンダ ンゴズィ]
1977年、ナイジェリア南部のエヌグで生まれ、大学町スッカで育つ。イボ民族の出身。幼いころから詩や物語を書くのが得意で、ナイジェリア大学で短期間、医学と薬学を学び、19歳で奨学金をえて渡米。ドレクセル大学、東コネティカット大学でコミュニケーション学と政治学を学ぶかたわら旺盛に作品を発表。ストーリーテラーとしての天賦の才に恵まれ、抜群の知性としなやかな感性で紡ぎだされる物語が繊細で心にしみると好評を博す。2003年にO・ヘンリー賞、デイヴィッド・T・K・ウォン短編賞を受賞。数々の賞にノミネートされて05年コモンウェルス賞を受賞した初長編『パープル・ハイビスカス』につづき、06年発表の長編『半分のぼった黄色い太陽』は「ランドマークとなる小説」と書評界に絶賛の嵐をまきおこし、オレンジ賞を受賞。

くぼた のぞみ[クボタ ノゾミ]
翻訳家、詩人。東京外国語大学卒業。訳書に、J・M・クッツェー『マイケル・K』(ちくま文庫)、『少年時代』(みすず書房)、C・N・アディーチェ『アメリカにいる、きみ』(河出書房新社)、M・コンデ『心は泣いたり笑ったり』(青土社)、B・ヘッド『優しさと力の物語』(スリーエーネットワーク)、E・ダンティカ『アフター・ザ・ダンス』(現代企画室)、S・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』『サンアントニオの青い月』(共に晶文社)、アミラ・ハス『パレスチナから報告します』(筑摩書房)など。詩集に『風のなかの記憶』 (自家版)、『山羊にひかれて』(書肆山田) 、『愛のスクラップブック』(ミッドナイトプレス)がある。

内容説明

初恋の人、自分をいちいち説明する必要を感じなかった唯一の相手、彼はいまや結婚して一児の父親だ。―高校時代に未来を約束した恋人オビンゼと離れ、イフェメルはアメリカに旅立つ。彼女を待っていたのは、階級、イデオロギー、地域、そして人種で色分けされた、想像すらしたことのない社会だった。大学に通いながら職を探す毎日。やがて彼女は失意の日々を乗り越えて、人種問題を扱う先鋭的なブログの書き手として注目を集めるようになる。一方オビンゼは、アメリカ留学をあきらめ渡英するも、不慮の出来事をきっかけにナイジェリアに帰郷。不動産取引で巨万の富を得て、美しい妻や娘と優雅に暮らしている。かつての恋人たちは、いつの間にか別々の道を歩いていた。世界を魅了する物語作家による三大陸大河ロマン。全米批評家協会賞受賞。

著者等紹介

アディーチェ,チママンダ・ンゴズィ[アディーチェ,チママンダンゴズィ] [Adichie,Chimamanda Ngozi]
1977年、ナイジェリア南部のエヌグで生まれ、大学町スッカで育つ。イボ民族の出身。ナイジェリア大学で医学と薬学を学ぶが、19歳で奨学金をえて渡米。ドレクセル大学、東コネティカット州立大学で政治学とコミュニケーション学を学び、次々と作品を発表しながらジョンズ・ホプキンス大学クリエイティヴ・ライティングコースで修士を修める。2003年にO・ヘンリー賞や、PEN/デイヴィッド・T・K・ウォン短編賞を受賞(受賞作は日本オリジナル短編集『アメリカにいる、きみ』所収)

くぼたのぞみ[クボタノゾミ]
北海道生まれ。翻訳家、詩人、エッセイスト。東京外国語大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

147
恋愛とラシズムと二つテーマがあるのはもったいない。恋愛に関していえば、彼女の恋の行方はどうでもよかった。最後ももう勝手にしてと。人種問題については、アフリカ生まれのアメリカでの黒人の位置づけ、黒人同士の中でのこと、イギリス内でのそれ、そしてナイジェリアの中でさえ…、全てがレイティングじゃないの。おそらくそれは作者がもういい加減にしようよと感じているのではないか。その事を、この作品においてたくさんの登場人物で書き分けたのではないだろうか。そこにもっともっとフォーカスして欲しかったな、と思う。2018/01/30

どんぐり

83
いま最も注目されるアフリカの作家アディーチェが、2013年に全米批評家協会賞の小説部門で受賞した作品。ナイジェリア出身の女性イフェメルがアフリカン・アメリカンになっていくなかで出会う人種問題と経済的困難や、社会文化への軋轢に立ち向かって力強く生きていく姿が描かれている。ナイジェリアでの恋人との出会いと別れ、アメリカの大学へ入学し、黒人問題の有名ブロガーとなっていくイフェメルが白人男性やアメリカン・アフリカン男性と恋愛経験を経て、故国で実業家なっている恋人と再会し自立していくまでの人生の軌跡。2段組で5002017/07/15

らぱん

73
面白かった。ナイジェリア生まれの女性の成長譚なのだが、終わってみるとド直球のラブロマンスだった。500頁二段組を飽きずに読ませるのは運びの巧さだが、細部の描写が物語を生き生きとしたものにしている。特に人物造形が突出しており、髪型や着こなしなどの外形と、仕草や目線などの動きでその為人が鮮やかに浮かび上がる。主人公の内面は詳細に語られ彼女の率直さに感情移入しながら、一方で人間とは実に社会的な動物であることを考えさせられる。他者や異文化との出会いで発見されるのは、それらが鏡となって映す自分自身の姿だ。↓2019/12/17

NAO

70
作者は、ハーレクインのような飛び切りのラブストーリーを書きたかったのだという。だが、延々と描かれているのは、アメリカの根深い人種差別について。一人はアメリカに、一人はイギリスに、波乱に満ちた青春時代を過ごした二人の恋人。自国に戻って再会し、焼けぼっくりに火がついた。たしかにそれは、ハーレクインなみのジェットコースターラブストーリー。でも、気になるのは、その愛の行方よりも、あまりにもすさまじい人種差別。もちろん、それこそが、作者の一番書きたかったことなのだろう。 2017/04/12

こーた

66
携帯電話の機種変更にいったときのことだ。わたしの応対に現れたのは、中国人の若い店員であった。かれの日本語は、明らかに母国語のそれではないとわかるものの、きわめて流暢で、やりとりをするのになんの問題もなかった。責任を回避するようなまわりくどい表現は一切用いず、わたしが知りたいことだけを教えてくれた。かれの直截的な言動に、わたしは誠実さを感じるとともに好感をもった。だが、かれがときどき確認を求めにいく日本人の上司は、ちがった。この若者のことをどこか蔑んでいるようでさえあった。⇒2017/03/16

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