氷―氷三部作〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309206691
  • NDC分類 983
  • Cコード C0097

出版社内容情報

21世紀初頭のモスクワで世界の再生を目指す謎の集団。氷のハンマーで覚醒する金髪碧眼の男女。世界的な評価の高い作家の代表作。

【著者紹介】
1955年ロシア生まれ。コンセプチュアリズム芸術運動に関わったのち、83年『行列』で作家デビュー。「現代文学のモンスター」の異名をとる。主な作品に、『ロマン』『青い脂』『氷3部作』、短篇集『愛』など。

内容説明

2000年代初頭のロシア―酒とドラッグに溺れるモスクワ大学の学生ラーピン、売春で日銭を稼ぐ愛くるしいブロンド娘ニコラーエワ、極上のスーツを身につけた知的な中年男ボレンボイム。金髪碧眼の一味に捕らわれた彼らの胸に青い氷のハンマーが振り下ろされる。そして彼らは不思議な「真の名」を語りはじめる。戦争と虐殺と謀略の20世紀を舞台に、「原初の光」の再生を目指すカルト集団の物語―。現代ロシアのモンスターによる“氷三部作”、エピソード2より刊行開始!!!!

著者等紹介

ソローキン,ウラジーミル[ソローキン,ウラジーミル] [Сорокин,Владимир]
1955年ロシア生まれ。70年代後半からモスクワのコンセプチュアリズム芸術運動に関わる。83年、当時のソ連を象徴する風景を戯画化した作品『行列』を発表し、欧米で注目を集める。2010年に『氷』でゴーリキー賞受賞。英語圏などでも高く評価され、2014年国際ブッカー賞最終候補

松下隆志[マツシタタカシ]
1984年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程。第4回(平成25年度)日本学術振興会育志賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

61
著者が著者だけに警戒しながら読み進めたんだけど、おぉこれ真っ当な小説だ。普通と違うのは第二部が一番最初に発表されたことだけで、その他は人物紹介以外は普通、ただ内容は滅茶苦茶面白くて一気読み。第一部はカルトを外部から描き、第二部は内部からの描写と陰謀論を混ぜ合わせたような話なのだが、ここ色々な読み方が出来るな。ナチとソ連史のパロディみたいな。三部は通販のパンフレットみたい。で、これから『ブロの道』読むんだけど、なんとなく三巻目読むのが怖いような。最近の傾向からして『ロマン』みたいなオチは無いと思うけど。2016/03/26

Vakira

49
ソローキン気になってまたしても読んでしまった。図書館になく、リクエストしたら図書館にて購入、うわ~新品処女本だ~。んで早速読む。んん?これは普通にSF?「青い脂」や「親衛隊士の日」の様にSFんという設定を借りた政治風刺や斬新な文学挑戦、ではないですね。グロ、スカトロ無し。これはSFとして普通に面白いです。3部作の2部にあたる部分で、現在から始まり、1901年の隕石の話。隕石の氷と心臓が現在まで・・・更に過去には宇宙創造まで繋いでいきます。keyは23という数字。これって人間の染色体46の半分じゃん?さて?2015/05/06

りつこ

40
え?どうしたの、ソローキン?ソローキンらしくもない。って私の考えるソローキンらしさって「こんなものをよく訳したなぁ」と驚くほどのエロ、グロ、スカトロ、悪ふざけ、暴力。それはあくまでも表現方法の一つであって決して主題ではないのだからしてそれを私のような者がソローキンらしくないなどと談じてはいけないのだがしかしそれにしてもソローキンらしからぬシンプルさに驚く。三部作の二作目ということなのだが、次に訳されるのは三作目?なんにしても楽しみ。2015/03/09

kasim

39
単体で読めると聞いたのだけど、砕け続ける氷の槌が圧倒の神話になるのか壮大なホラ話になるのかこれ一作では先が読めない。著者曰く「形式でなく内容」が先に出た初の作品とのことだが、今のところやっぱり文体やストーリーテリングの上手さの方が目につくし、第2部はすごく読ませるけど第1部と第3部の反復はやや煩わしい。続けるしかないか。ボナッツィなる人の超越的で不吉、キリコやコスタビをさらに怪しくしたみたいな装画がこの巻は素晴らしく合っている。つるつるしたコート紙の黒と銀の中表紙もいい。2021/03/09

かわうそ

28
三部作の1作目(時系列的には2作目らしいですが)ということで内容としてはプロローグ的な印象。ソローキンにしては異常さ控えめでかなり読みやすく、解説にあるように「形式よりも内容が前面に出た小説」として普通に次作が楽しみ。第三部には大笑いしました。2015/03/21

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