内容説明
初めて明かす、エンデの豊かな世界。『モモ』『はてしない物語』ほかの誕生秘話、未発表の自筆さし絵、子どもの頃の絵・ノート、年譜アルバム、コレクションの数々―。
目次
巻頭 黒姫で出会うミヒャエル・エンデという名の子ども
「モモ」の章
「はてしない物語」の章
「数々の名作」の章
「あゆみ」の章
「コレクション」の章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コニコ@共楽
18
エンデの代表作を読んでさらに彼のことを知りたいと思った。「モモ」や「はてしない物語」の章が充実していて、エンデの言葉がそれぞれのテーマを際立たせている。なかでもファンタジーの世界を芸術に置き換えて言っているこの言葉が印象的だった。「芸術は嘘だから私たちはそれを通して真実を見ることができる。それが虚構だと知っているからです。実を言えば悪とは何かということを体験できるからこそ善がなにかを私たちは体験できるのです。つまり私たちは常に母質が必要なわけでその母質に反発することでその反対を体験するのです。」2021/01/16
Lwsika
17
何度目かの再読。エンデファンにとっては宝物のたくさんつまった宝石箱のような魅力あふれる一冊。未発表スケッチを見るだけでも楽しむことができる。既読の作品についても理解が深くなり、大人になった今こそ再読のときではないかと改めて思った。亀と一緒に笑みを浮かべて写った写真を見ながら、エンデの訃報に泣きじゃくった子供の頃の自分を思い出して切なくなった。黒姫童話館にいつか行きたいな。2013/05/21
遠藤三春
7
何度目を通したか。作品紹介とエンデの紹介。日本に興味を持っていた様子、黒姫美術館誕生など素敵エビソード満載。人生に必要なものは猫一匹という答えや、コンピュータゲームにはまりすぎて、奥さんからゲームは一日三時間と言われたりと、微笑ましいエピソードも満載で素敵。2012/05/04
iwri
5
いわばエンデのファンブック。類書としてRoman Hockeの2作品があるが、日本語で読めるものがないため、その点では貴重である。エンデ自身の生の顔が垣間見える点は、黒姫童話館に所蔵された資料の豊富さだけでなく、やはりエンデの友人でもある子安美智子氏の力が大きいだろう。未発表スケッチなども多数掲載されており、エンデ作品を更に楽しむために読むのも良いと思う。2013/01/14
佐保(さほ)
5
今までどれだけ考えてもわからず悶々としていた世界(『モモ』『はてしない物語』『ジム・ボタン』以外は、何が言いたいのかよくわからなかった)が少しわかったような気がする。本当にエンデの世界は深淵だが、一生かけてでもいいから理解したいと願える作家だ。それととても人柄が良かったんだろうなと思う。顔見ても〝いい人だ!〟って思える。亀が好きだとか、遊び心が多い。心から、エンデという作家に出会えて良かった。2011/07/26
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