出版社内容情報
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
96
自宅の庭にテントを張ってそこを居場所にする。子どもっぽいなんとも中途半端な家出。読みやすかったけど、内容に共感できるところが少なくて私には合わなかったかな。芥川賞候補作。文藝2025年春季号にて読了。芥川賞候補作、3作品読んだけど、今回はどれも自分には難しくて。読む筋力が鍛えられました😅2025/07/11
ネギっ子gen
61
【焼夷、自衛、愛】著者の感性が光る作品。表紙・題名も良し。バレエスクールで、アンノやモリちゃんの顔の造作を、男の子二人がこそこそ笑ったことにアンノは怒って一人の右頬を叩き、先生から「それじゃ美しくないわ。7歳からはもうレディなのよ」と言われ、「たたいたのはいけなかった」と答えた時、迎えに来た母は先生をにらみ、「理由もなく人に手をあげるような子じゃありません。わたしには、わかります」とアンノの味方をする。で、<アンノの頭は、もともとそうなることが準備されていたみたいに、てっぺんからパカっと割れた>と―― ⇒2025/07/14
shio
29
家族として娘として期待される愛の形。恋人として押しつけてくる愛の形。そこに当てはめようとされた時に、アンノの頭は“割れる”。割れめからあふれ出る感情をぶつけて、人と衝突するアンノ。叱らずに庇う母親をアンノは即時になじる。「逆だろ!」家族に不信感を抱き、自宅の庭でテントを張って暮らすようになる。アンノを「立ちのき」に追いやったのは、奇妙な縁で知り合った人との別れだった。エッセイでも書かれていた「愛」と、人との「距離」。独特な感覚が興味深いなぁと思っていたけれど、小説になるとさらに鮮烈に伝わりました。2025/07/19
おかむら
24
芥川賞候補作。「文藝春号」で読みました。幼少時からバレエを習わされてた主人公の女の子が母の過干渉にとうとうキレて自宅の庭にテントを張って暮らし始めます。このちゃんと家出して自活するわけでもない中途半端さが今風なのかねえ。繊細なようで図太さも感じられる主人公の性格設定がでもやっぱり繊細なので私的にはあんまり好みのタイプではなかった。庭テントの可笑しさがもっとあるとよかったな。2025/07/04
だのん
17
親子でも他人でも自分の思いはうまく伝わらないし、伝わったと思っていても、違ってることが当たり前だと思います。自分の感情や思いをどう処理するのがいいのでしょうか。いろいろな形の人と人の関係があって、その全てを円滑にするのは難しいし、考えていると面倒くさくなってしまう気持ちがなんとなくわかります。最後にこのタイトルを言いたくなりました。2025/07/05