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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shio
25
プロ棋士になったが伸び悩む芝、高校生で奨励会を辞めた大島。同期でグングン勝ち進める謙吾を間に置いて、お互いの思いがそれぞれの目線で語られる。自分の才能不足が、努力不足が、情熱不足が、勝利への道を閉ざす。叶えたはずの夢に、諦めたはずの夢に、心が押し潰されてぎしぎしと軋む。容赦ないタイトルに戦慄!それにしても将棋って何!?人間が生み出したゲームに、人間が追いつかないって何なんだ😨底しれない沼に恐ろしさを感じつつ、その沼に引きずり込まれた芝と大島の細い繋がりが辛うじて途切れないことに安堵した。2025/08/07
ユウハル
8
清々しい青春ではなく、泥まみれで這いずり回っている青春という感じ。勝負の世界で戦い続けると言うのは想像を絶する苦しみがあり、他者だけでなく自分との戦いでもあるのだとすごく苦しみながら読んだ。 自分の体験ではないのに読んでいるだけでここまで苦しく感じるのかと芦沢さんの文章に驚かされる。 芝から大島に視点が変わり、同じ場面でもこんなに読んでる私の心も違うのかとさらに驚いた。 人によって同じ出来事でも感じ方が違うのは当たり前なんだけど、それを完全に知ることって出来ないので小説ならではの楽しみではないかと思う。2025/09/18
yasuyuki suzuki
6
ミステリーのイメージが強い芦沢央さん今作は視点を変えて人生を生きる男の青春小説とのことで、読み進めていくと没頭してしまいました。主人公、芝の将棋世界のむずかしさそして弁護士になった大島との対比が見事に描かれていました。夢に出てくる犬の描写はすごくリアルで思わず本当のことかなのかと思ってしまいました。そして破産手続きでの瀧口の行動に心痛みラストの切ない結末に心打たれました。あなたもこの感動作を読ん心打たれて下さい。2025/08/07
ゆり
3
好きな作家さんなので購入しましたが、積読していたスピンに掲載されてたのを読んでからにすればよかったです。将棋は好きなので楽しめるかもと思いましたが、芝の章ではAVだったりシモの話も多く、楽しさより嫌悪感が買ってしまった。将棋に取り憑かれてというのはわかるのですが、別に将棋が題材でなくてもいいほど将棋に対してのことが伝わってこなかったです。大島の賞はまだ読み応えがあったけど、なんだかあっさりしたまま終わってしまった。2025/09/19
Nabe
3
「夢に人生を食い潰された」「アンチ青春小説」。帯の文言があまりにしっくりくる。側から見れば友達で、いいやつで、すごいやつで、そんな2人なのに腹に抱えてるものはどす黒くて、「おまえレベルの話はしてない」なんて心の中では馬鹿にして。そうしないと保てない自我を持ちながら現実でなんとか立ってる。“夢”の持つ輝きの裏にある影がぬるぬると広がっていく。こういう黒い話だいすき。2025/09/19
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