内容説明
灼熱の太陽に燃えるアフリカの地で、黒く渦巻く人間の根源的な苦悩と恐怖。芥川賞受賞直後に書かれた表題作ほか、遠藤文学の道標となる全9篇!
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年、東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、十二歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒業。50年から53年までフランスに留学。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア小説や歴史小説、戯曲、「狐狸庵もの」と称される軽妙洒脱なエッセイなど、多岐にわたる旺盛な執筆活動を続けた。55年「白い人」で芥川賞、58年『海と毒薬』で新潮社文学賞、毎日出版文化賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞、79年『キリストの誕生』で読売文学賞、80年『侍』で野間文芸賞、94年『深い河』で毎日芸術賞、95年文化勲章受章。96年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
52
「ぼくたちの洋行」進駐軍が滞在している戦後間もない時期に仮のパスポートでヨーロッパに留学した大学生たちにあてがわれた場所からこんなところで敗戦を痛感する悲しさ。「ピエタの像」地元の郷土史家と知り合い、彼が所有するイエズス会の宣教師が造ったピエタ像の欠落したキリスト像を探す過程と父子家庭の友人の暮らしぶりを絡ませた話。「母なるもの」は、遠藤周作の変わらぬテーマ。2024/09/15
まろんKK
2
☆32024/03/10
masa
0
短編集の前半は小説というより自身の体験記みたい。遠藤周作の題材と言えば「キリスト教」「差別」だがこの短編集ではキリスト教の要素は割と少なかったかも。 小説中で自然な感じにユーモアを入れているのに好感が持てた。2024/05/16
Erinelly
0
遠藤周作は、東洋と西洋を繋いでくれる架け橋のようだと感じた。2024/07/27
bigdad
0
☆☆☆2023/12/23