内容説明
自らが操縦するヘリの事故で恋人を亡くした転職組のヘリパイロット・宗田眞人、マルチリンガル通信士・手嶋沙友里、対テロのエキスパート捜査官・吉見拓斗。各々の管区で任務に就く3人に舞い込む事件。別々に思われた消えたタンカーの捜索と、ある密輸事件が交わるとき巨大なテロ計画が浮上する―三者の視点で描かれる苛酷な最前線。命と向き合う海保の矜持を描く!!
著者等紹介
梶永正史[カジナガマサシ]
1969年、山口県生まれ。2014年、『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』で第12回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モルク
103
海上保安庁のヘリコプターパイロット宗田は民間のパイロットをしている時恋人を亡くした過去があり彼女の妹が巡視船の通信士語学に堪能な沙友里だった。海保でも海猿の方ではない。宗田は漂流しているタンカーを発見そこに女性がいたと主張するも誰もその姿を見たものはないが、それに固執する宗田。警視庁公安部に出向している元海保特殊警備隊の吉見。この3人がどのように結び付き共闘することになるのか。都合よすぎの部分もあるが後半にいくほどスリリングな展開に。テロは防げるか。沙友里と宗田の進展は?でも中国のビン中尉も侮れない。2024/05/08
タイ子
91
面白かった!海上保安官が空から、海から、陸から繰り広げるハラハラドキドキの痛快アクション。心に傷を負うヘリパイロット、姉を事故で亡くした巡視船の女性通信士。海保の捜査官。それぞれが人命を守るため、自分の心の傷と葛藤しながら戦う姿はカッコいいとしか言いようがない。消えたタンカーの謎を追っていくうちに辿り着いたテロの企て。阻止すべき空からの攻防戦がこれまた面白い。一つ片付いたと思ったら次に襲いくる危機。領土問題に於いては何かとせめぎ合いが続く昨今だけに、海保の方々には日本を守る矜持を貫いていただきたい。2024/02/04
ナミのママ
77
海を逃げるパワーボート、それを空から追跡するヘリコプター、手に汗握る追跡劇。スピード感のあるスリリングな一気読み作品、面白かった。海上保安庁のヘリコプターパイロット宗田、巡視船の通信士の紗友里、警備救難部刑事課捜査官の吉見。3人が結びつき「消えたタンカー」を追い始める。ここに公安も絡みとんでもない事件に進展していく。ストーリーがしっかりしていて、登場人物描写も丁寧、骨太なアクション作品。映像も見てみたい。2024/01/10
rosetta
34
★★★★☆恋人を事故で亡くした主人公の一人であるパイロットのトラウマは鬱陶しいが、予想以上に楽しめた。海上保安庁に所属するパイロット、通信士、捜査官。カルトから洗脳された信者を救い出す筈の団体がカルトと政治家の癒着に絶望して自らテロ組織化する。消えたタンカーを追い、三人三様の関わり方で事件に挑む。クライマックスのボートとヘリコプターの追跡劇から爆発物の投棄までの迫力。日本の海を護る保安官たちの活躍もよく知ることが出来た2023/11/26
ふう
32
沈没したタンカーに乗ってた女とそう都合よく再会できるか、別の所属の者たちが一緒に動けるのかなど、いろいろイチャモンはつきそうだけど、緊迫した尖閣の海や東京湾でのヘリと船舶とのカーチェイスならぬ、え?何ていうんだ、これ。時限爆弾のタイマーがいつの間にか消えて自爆モードにされたり、一難去ってまた一難、アクション映画を楽しんだ気分。2024/02/22