内容説明
英雄・源義経が自ら語る画期的新訳!笑いと涙とビートで生まれかわる名作大長篇。宿敵平家を滅ぼすも、鎌倉殿に疎まれた流浪の主従。弁慶、忠信、静など、忠臣たちの運命やいかに。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。作家。1996年に発表した初小説「くっすん大黒」で1997年にドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
196
町田 康は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。5年前に読んだギケイキ②に続いて、漸く③が出ました。相変わらずの面白さ、本巻のクライマックスは、静御前のラストダンスでした。続いて④(来年出版?)へ。ギケイキは、全四巻で完結の模様です。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031316/2023/11/27
ちゃちゃ
95
サブタイトル「不滅の滅び」とは如何なる意味だろう。前作は、雪の吉野で愛妾静御前との哀しい別れで幕を閉じた。今作は、義経はほぼ語り手に徹し、重臣である佐藤忠信の武士としての勇猛で潔い最期や、吉野から南都へと逃げ延びた義経を匿う勧修坊得業の法力とカリスマ性ある論破力、ラストは兄頼朝によって出産後すぐに子を殺害された静が奉納する神がかり的で妖艶な舞が描かれる。不滅とは、肉体は滅びても魂は人々の心に宿り続けるということか。それはあたかも、やがて迎える義経の死に捧げる鎮魂の挽歌のようだ。早くも次作が待ち遠しい。2024/02/15
H!deking
69
いやー文庫化まで待とうと思っていたのですがサイン本見つけてしまい捕獲。これまためちゃくちゃおもろかったでございます。最初の頃は言葉の言い回しで爆笑だったけれど話が進むにつれて段々と悲しみが増していきますよね。4巻も楽しみ!2024/01/03
榊原 香織
68
シリーズ3 町田節爆裂。 現代大阪弁でバシバシ。面白い(が、ちょっとくどい)。 圧巻は最後、静が鎌倉八幡宮で舞うところ。急遽結成されたスーパーバンド(工藤、畠山、梶原)が凄い。 力の鎌倉武士、意外に楽器とかできたんですね。2024/04/15
さつき
67
3巻までくると、この終始テンション高いノリにも慣れました。ただ、義経記の物語も終盤に差し掛かり、落ち目になった義経はやはり哀れで切ない気持ちでいっぱいになります。静の舞のシーンはライブさながらの描写が面白く、それぞれの登場人物のひととなりがよく分かり見事でした。続きが早く読みたいです。2024/01/31