NHK BOOKS<br> カント哲学の核心―『プロレゴーメナ』から読み解く

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NHK BOOKS
カント哲学の核心―『プロレゴーメナ』から読み解く

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912522
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C1310

出版社内容情報

『純粋理性批判』を執筆後、周囲の無理解に悩まされたカントはその要約版『プロレゴーメナ(序説)』を書いていた。要約版からカント

内容説明

哲学史上の最難関『純粋理性批判』は刊行当時から難解とされた。無理解に憤ったカントはみずから要約版『プロレゴーメナ』を書き、以後この本が、初学者にもっとも薦められる入門書とされてきた。本書は『プロレゴーメナ』を読みながらカント哲学の根本を学んでいく。カントの何が新しかったのか?感性・悟性・理性とは何か?なぜひとは神の存在を考えるのか?なぜその答えは得られないのか?身近なたとえから説き起こし、カントの文章にじっくり向き合いながら有名な「コペルニクス的転回」の真価、「批判哲学」の使命を理解する。比類ない精確な読みへと読者を導く、王道のカント哲学入門書。

目次

第1章 「序文」からカントの自負を読む
第2章 「緒言」からカントの問い方を読む―『プロレゴーメナ』校訂の問題
第3章 「数学」がどうして可能なのかを問うてみる―感性論は論理学の外部
第4章 「自然科学」がどうして可能なのかを問うてみる―超越論的論理学とは
第5章 コペルニクス的転回の射程
第6章 独断論的な形而上学を批判する
第7章 理性の限界を見定める
第8章 カント自身の「答え」を確認する

著者等紹介

御子柴善之[ミコシバヨシユキ]
1961年、長野県伊那市生まれ。長野県伊那北高校在学時に出会ったカント哲学を学ぶために上京し、早稲田大学第一文学部哲学専修卒業。同大大学院博士後期課程満期退学。1992年から93年、ボン大学に留学。現在、早稲田大学文学学術院教授。専門はカント哲学を中心とする西洋近現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

しんすけ

24
一年少しを置いた再読だ。 『プロレゴメナ』を話題にした創作をブログに連載していることもある関係で、頭を整理しておきたかったから読んでみた。 たしかに〈認識〉、〈悟性(理解力)〉、<判断>などに関する解説は例も書かれていて解りやすい。だが不満も残った。 それは本書を読んでも、思索する考え方に進展を感じられないことだった。 たとえば、知覚判断と経験判断の区別に関して、本書から得れれるのは、前者が個人的な判断でしかないのに対し、後者は多くに認めれうる判断ということに過ぎない。2023/11/01

しんすけ

21
考えること、それは自分探しの旅なのだ。だから、ぼくは彷徨って旅が終わることはない。 なぜなら『プロレゴメナ』後半で説かれるように、人間の悟性が、一挙に対象を把握できるような「直観的」なものではなく、概念と概念との関係を積み重ねて考えるしかない「論弁的」なものだからなのだ。 何事も一挙に解決できない。だから自分探しも、長い旅となる。 本書を読んでいるとき、その旅の途中の宿で休憩している自分を感じていた。 そこは『プロレゴメナ』の素晴らしさを、あらためて気づかせてくれる場だった。 2022/08/15

速読おやじ

17
何度もカントには挫折している。本書は名著純粋理性批判を読み解くための入門的な書、、と思っていたのだが、それでも理解して読み進むのにかなり苦労したし、正直やはり難しくて半分は諦めた。ー認識は常に経験とともに始まる。経験とは経験的認識であり、それには内容として知覚が含まれ、その知覚は経験的である。認識が対象に従うのではなく、対象が認識に従う考え方への転換。経験に依存しない認識=アプリオリな認識。なんだかよく分からんが、それが純粋悟性に基づくものなのか?とりあえず更なる入門書を求めて、カントの旅は続くのであった2021/07/10

しゅー

9
★★★NHK出版新書の『哲学史入門Ⅱ』で、カントの項を担当していた著者を知る。他の先生方はご自分の著書を1冊は推薦図書に忍ばせているのに、御子柴先生は奥床しくも他人の本ばかり薦めていた。それで逆に興味を持って、まずは入口となる『プロレゴーメナ』の入門書から手に取る。ヘンに噛み砕かずに原典の読み解きと言うスタイルで引用たっぷりなのが良かった。ノートでキーワード同士の結びつきを整理しながら読んだので頭を酷使したけど、カントの「問い」が分かりやすく解説されていて、初めてカントの言っていることに近づけた気がする。2024/06/17

♨️

7
いい本だと思う。哲学の術語ひとつのレベルから丁寧に解説しつつカントの晦渋な文章そのものを読んでいくから、『プロレゴーメナ』でなにが書かれてるかがわかる以上にそういう文章をゆっくり考えながら読んでいく作業を経験できる。後半の「読まずに純理の書評書くなよ! 」とガチギレしてるカントがおもしろい。2019/02/03

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