出版社内容情報
「一応、暴力だろ。石でも言葉でも嫌悪でも」。妻の親友の家に招かれた僕。だが突然僕の行動をめぐってミニ裁判が始まり……心に潜む “明るすぎる闇“に迫る綿矢りさ新境地! 全4作収録
内容説明
「眼帯のミニーマウス」カワイイ命女子VS.整形ポリス。「神田タ」YoutuberVS.粘着ファン。「嫌いなら呼ぶなよ」不倫男VS.妻の女友だち。「老は害で若も輩」綿矢VS.ライターVS.編集者。整形、不倫、SNS、老害…心に潜む“明るすぎる闇”に迫る!
著者等紹介
綿矢りさ[ワタヤリサ]
1984年京都府生まれ。2001年『インストール』で文藝賞を受賞しデビュー。早稲田大学在学中の2004年、『蹴りたい背中』で史上最年少19歳で芥川賞を受賞。2012年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、2020年『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
513
綿矢りさは、新作中心に読んでいる作家です。 著者の最新作は、クセの強い人たちの短編集、オススメは、『眼帯のミニーマウス』&『老は害で若も輩』です。 薄い短編集ながら、パンチがあります🥊 https://book.asahi.com/article/146843992022/09/06
さてさて
481
『純文学の作家とはこんなにもめんどくさい生き物なのだろうか』。そんな自虐的な言葉が踊る書き下ろしの短編を含めた四つの短編が収録されたこの作品は、真っ赤な表紙に水色のドット、そこに巨大な字で「嫌いなら呼ぶなよ」と記された表紙がインパクト絶大です。そこには、毒々しいまでにとんがった物語世界が描かれていました。コロナ禍を痛烈に見る視点がとても新しいこの作品。極めて読みやすい物語の中に、とんがった表現が際立つこの作品。どこまでも吹っ切れた切り口の先に世の中を鋭く見据える綿矢りささんの凄みを見た、そんな作品でした。2024/01/25
まこみや
398
「どいつもこいつも心のタガがぶっ壊れていて、こんな奴が周りにいたら面倒だぜ」「反面、今の社会では依存症から誰しも無限ループの悪循環にハマってしまう恐れがあるよね」「確かに。彼らの語るリクツは筋が通らないけど、妙に納得させられることがあってオモシロイ」「それはジコチューなチャラい語り口のせいかも」「深刻さは裏返せばドタバタに通じるってことかな」「綿矢りさってこんなんだった?何だかイメージと違ったなあ」2022/09/23
うっちー
373
最後の短編はノンフィクションぽくって、面白かった2022/09/01
のりすけ
294
タッキーとりなっち、なんかリアルな会話っぽくていいなぁ。知らんけど。Yutuberへの情熱はあるファンのあれを。表題作は「ふてほど」のあの回を連想してしまった。こっわ!けどオモロー。不倫なんて当人同士の問題やん?なんて考える私がおかしいの?最後の話は爆笑。挟み込まれる関西弁はイケズの真骨頂。頑張れ編集者。2024/06/07