出版社内容情報
無気力系男子・岳文が恋に落ちるのはいつも一瞬、そして全力――第160回芥川賞受賞作家がおくる、ピュアで無謀な恋愛小説!
内容説明
男メンヘラ、果敢に生きる。恋に落ちるのは、いつも一瞬、そして全力―。無気力系男子・岳文、ピュアで無謀な恋愛小説!
著者等紹介
町屋良平[マチヤリョウヘイ]
1983年、東京都生まれ。2016年、『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞しデビュー。2019年、「1R1分34秒」で第160回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
202
芥川賞候補作&受賞作に続いて、町屋 良平3作目です。本書は、芥川賞受賞第一作、メンヘラ男子青春譚でした。芥川賞受賞作よりも好い気がしますが、メンヘラ男子が増殖したら、日本は滅亡するのではないでしょうか?大変心配です。2019/03/12
なゆ
94
い〜んや、きみはきっとやさしくない。少なくとも女の子に対しては間違いまくってるよ。読んでるこっちがハァ?なんだから、面と向かってアレじゃあねえ。いろいろ小難しいコトばかり考えてるわりに、肝心なコトは気にしてない、やれやれな岳文くん。町屋さんは「しき」での瑞々しい空気感が好きなんだけど、こちらは何ともイタイタしいヤツ。母親からは男メンヘラと言われてるし。こんなんでこれからどうすんだよと思うけど、弟も親友照雪もいいヤツだしね。そういえば町屋さんの描く、男きょうだいのやりとりが、なんか好きだったりもする。2019/03/07
ででんでん
82
「しき」が好きだったので、こちらも読んでみたが、流し読みになってしまった。平仮名多用…と、多くの方のご指摘のある文体は私は好きだけれど、主人公や周囲の登場人物に、ただもやもやと。ささっと読了。2019/05/29
アマニョッキ
69
やっぱり好きやなあ、町屋さん。ストーリーとか、共感とか、感動とか、逡巡とか、もうそんなんどうでもよくって、とにかく町屋さんの文章にまみれていたいって思う。岳文と同じタイミングで、わたしも胸のところぐん!って圧される。町屋の海へプールへガンジスへ。臭くても汚くても一週間腹壊しても、わたしはずっと溺れ続けていたい。メンヘラ男子上等!女は手強いモンスターやけど、破られても壊れても、たたかえもがけ若者よ。あの日の空振りがホームランへ繋がりそうもないところが、またらしくていいな。これはぜひ男子の感想が聞きたい作品。2019/02/24
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
57
☆5.0 絶妙の体言止め。時折な短歌調。章章たりて律動カルに跳上る。すごく運動神経のへたくそな恋愛に暮れるぼく。脇役で生きるぼくは『人間失格』現代版。前にも増してこの作家が好き。2020/11/13