出版社内容情報
千年の時を超え、現代に生きる源義経が、自らの怒濤の生涯を語り出す。激烈に滑稽で、激烈に悲痛な魂を描く、著者の新たな代表作。
町田 康[マチダ コウ]
著・文・その他
内容説明
激烈に滑稽。激烈に悲痛。千年の時を超え、怒涛の生涯を語り出す源義経、誕生!デビュー20周年超娯楽大作。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。作家、歌手として活躍。1996年に発表した処女小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
241
町田康はマイブームの作家です。先入観なしで読んだので最初「ギケイキ」て何なのかなぁと思っていたら、「義経記」でした!先日の「宇治拾遺物語」ほどの爆発感はありませんが、古典の町田現代語超訳第二弾、十分楽しめました。何と5年間全四巻予定のようなので、当面期待感が持続出来ます。どうせなら「シンチョウキ(信長記)」も書いて欲しいと思います!2016/06/05
ちゃちゃ
119
義経の独り語りで読ませる、町田版「義経記」。なんと生々しくぶっ飛んだ超訳なのだろう。新喜劇を思わせるようなボケとツッコミの応酬。関西弁も流行り言葉も何もかもが渾然一体となったテンポの良い文体。なんでやねん、ホンマかいな…と突っ込みを入れつつ、気がつけば義経が兄頼朝の鎌倉挙兵に馳せ参じる場面に。源義朝の子として生まれ、戦乱の世にあって常に謀反の志を抱き、死と背中合わせの日常を生きた誇り高き、否、自意識過剰なナルシスト義経の青春記。でも、最後に胸に迫るのは、義経の深い孤独。町田さん、参りました。2018/12/23
nico🐬波待ち中
116
源義経と言えば、気品あふれる悲劇のヒーローのイメージがあった。こんなファンキーな義経は見たことない。くほほほ、きゅははは、どひゃーん、ほえええ、ってそりゃなんやねん!私の中の義経像が見事に覆される。「これが私のやり方。オレ流の生き方だ」 と、どこまでも強気な義経。忠実な僕・弁慶と共にいよいよ兄・頼朝の元へ。どうかこのまま最期までオレ流を貫いてほしい。千年の時を越え、義経が今まで胸に秘めていた思いをどこまでもさらけ出せるのか。この後4巻まで続くらしい。このエネルギッシュな筆力を保ち続ける町田康さんはすごい。2019/04/23
テクパパザンビア
88
面白かった、面白すぎる。『おおきに憚りさん』って云うのが率直な感想。初読み作家さんやのに最初のハルクホーガンで心掴まれ関西弁のテンポ良い会話の応酬で登場人物が身近になった。ほんで最後まで頼朝に合流出来ひんのんのんかい!…のエンディングも素敵。こんな大河ドラマやって欲しいです。2016/12/13
naoっぴ
83
義経記の現代口語訳版としか知らずに読んだら思いのほかパワフルでびっくり。小難しいことは現代風に置き換えているのでわかりやすく、この時代のオシャレのこだわりとか世の中の考え方など、なるほど〜と思うことも多くて楽しかったです。当時の人々は生エネルギーの凄まじさといい、死への頓着のなさといい、現代人と比べてかなりぶっ飛んでますね。草食系男子なにそれ?な感じ。物語はちゃんと義経記ですが、どこか時代ネタの漫才を聞いているような可笑しくて楽しい一冊でした。続編も楽しみです。2018/09/19