出版社内容情報
「暗示の外にでろ。俺たちには未来がある」――洗脳のプロ・洗濯屋と洗脳外しのプロ=解体屋の闘いが今、始まる。最高の冒険活劇長編
【著者紹介】
1961年生まれ。出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。88年『ノーライフキング』でデビュー。99年『ボタニカル・ライフ』で講談社エッセイ賞受賞。2013年『想像ラジオ』が話題を呼ぶ。
著者等紹介
いとうせいこう[イトウセイコウ]
1961年東京都生まれ。作家、クリエイター。早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。1988年『ノーライフキング』で作家デビュー。同作は第2回三島由紀夫賞候補作に。また第二長編となった『ワールズ・エンド・ガーデン』が第4回の同賞候補作になる。1999年『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sk4
47
『ワールズ・エンド・ガーデン』で登場した【洗脳はずし】というサイコビジネスを生業とする【解体屋】が、敵対勢力である洗脳ビジネスの兵士、【洗濯屋(ウォッシャー)】との戦いに敗れて精神病院で目を覚ますところから物語が始まるエンタメ小説。 神経洞窟(ニューロティック・ケイヴ)のロジックや醜悪な虹でのやり取り、オーガスティン病院長の自我を守るセカイが崩壊する様など、私は非常に楽しめました。 洗脳はずしという解体の果ての【無】。その白い闇の恐怖から解体屋を救ったのは・・。 『ノーライフキング』も読みます。2014/03/24
Shinobi Nao
15
脇役だった『ワールズ・エンド・ガーデン』からのスピンオフ。洗濯屋(ウォッシャー)も解体屋(デプログラマー)も、言語を操り脳を書き換えるという点では同じ。いたちごっこのような闘い。言葉の濁流に溺れそうになり、読むのに結構な時間とエネルギーを要した。「暗示の外に出ろ。俺たちには未来がある」この決め台詞に、クラっときました。2016/11/17
ほぼひつじ
11
復讐したい『解体屋』対、洗脳集団『洗濯屋』。活劇サイキックパンク復讐譚。銃弾みたいな言葉の暗示、意味の可能性を引き出す感じ。漢字に独特なルビ降る上々なフロー。「暗示の外に出ろ。俺たちには未来がある」この小説を表すパンチライン。エンタメ度高めのストーリーが良い。著者を教育番組でずっと見てたから、後にhiphopの先駆者って紹介されてて衝撃を受けた事がある。でも、この小説読むとラッパーっぽいと改めて思う。「たった一つの真実という漢字に、馬鹿らしいほどたくさんのルビを振り続けよ!」いちいちカッコいい本でした。2016/05/13
あを
7
どこかで似たような要素をもった話を読んだなとおもいながら読了。時系列的に考えれば私が読んだのは解説にあるようなこの本の子孫たちなんだろう。20年ほど前に作られた話ってのを考えると、すごいなぁと素直に感心。世界は言葉でできているってのを端的にあらわしやすいのは、やはり、小説なのかなぁ。言葉で他人を自分の作った世界に引きずり込む訳だし。マスターから届いたCDの話が興味深かった。すべては受けとり手次第。2014/02/07
あいちょ。
4
後輩より拝借。 一気読み。2015/02/09