内容説明
ダキナミ・ヤツノただいま、帰還。永遠を生きる猫と文学。母の発達の続編。
著者等紹介
笙野頼子[ショウノヨリコ]
1956年、三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。81年「極楽」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、『タイムスリップ・コンビナート』で芥川賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー賞受賞、05年『金毘羅』で伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あ げ こ
13
滾る、荒ぶる、ここ最近読んだ笙野頼子の中では一番!どこまでもしがみついて行くよ!!笙野頼子の行く所に自分もどこまでも!!苛烈にぶっ壊すけれどそれだけでは全然ない!!笙野頼子はその先へ行く!しっかりと拾って、取り上げて、挑んで、作り直す!残し続ける!今回は結構な不具合出ているけれども。諸々、重要な部分を失ってしまって、動揺しているけれども。落ちてしまっているけれども。実際落ちてしまったけれども。それでも、だからこそ。帰って来て。戻って来て。また書いていて。もっと、より一層すごい。眩いほど、クラクラするほど!2018/03/12
梟をめぐる読書
12
大江健三郎のレイト・ワークを補助線とすることによって、『金毘羅』以降の笙野頼子の小説の意義を漸く積極的に理解することができた。 この人のやっていることもまた(神仏と「私」との習合による)際限のない「自分史」の語りなおしに属するものなのだが、あくまで「〝共同体〟の幸福」ではなく「〝個〟の抵抗」、日常的な生活感覚の側にテーマを引き寄せることによって、信仰という行為が本源的に孕むカルト性をほぼ完璧に脱色してしまっている。その姿勢は3.11後に書かれた『母の発達、永遠に』(半濁音編)でも、まったくブレていない。2013/03/03
ぶんこ
6
読み続けられませんでした。 2014/03/11
むつこ
5
おバカな私に理解不能。時折、クスッと笑えるところがありますが、結局何がいいたいのかわからなかった。「読み手を刺激し続ける本」としては成功しているのではないでしょうか。2013/03/12
葛井 基
4
母の発達の続篇と、猫荒神シリーズの序章がハイブリッドした、ステキな本。後期笙野の入門書としても読めるのではないか思えるほど分かりやすくて面白い。これが読めない君はすでに捕獲されているのだ。だって、世界はもうインチキだらけで、クイズの形で問いを出す以外にその真の可能性など失われているから。2016/08/16