内容説明
与謝野晶子と誤植、川上眉山と樋口一葉とその妹、有島武郎と親友足助素一、ボースと中村屋相馬夫妻、毒舌家ならぬ“薬言家”生方敏郎、あの藤村操の幻の書『煩悶記』がついに現れた!?本の世界をどこまでも遡る234篇の旅。
目次
少女読者
鳳昌子
わが肌
お礼
消えた漱石
本に飢える
海苔の本
活字の大きさ
記録
三十円均一〔ほか〕
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年、茨城県生まれ。作家、古書店主。1973年より古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆生活に入る。92年、『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を、翌年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽんぽこ
2
古本屋の親父さんって古本への愛が溢れに溢れていて読んでいてこちらもにっこり。どのページを開いても古本のことばかり。読んでいると古本の埃っぽいあの匂いが香ってくるようです。街の本屋や古本屋が駆逐されてきている現代、こんなふうに本を愛してくれている本屋があるんだと思うと、まだまだこの世も捨てたもんじゃないなと思います。「ひとたび頁を開き行を逐う人に出会えば、本はいつでも現役」。良い言葉です。2023/07/23
ぱき
1
文人の流れを汲むしっかりとした視点。文章がすばらしい。2011/04/22
ayako
0
本屋2021/04/25
T
0
P218 好(すき)な事して遊べかし 再度(ふたたび)は、この世の中へ生(うま)れてこざれば 寒月 2020/12/06
つんこ
0
古書店店主独特の視点。作品以外のいろいろな情報から浮かび上がるものの多さ。読書量が桁違いで、こんなデジタルな時代でさえ線にはならない情報の点々が、古書店店主の読書のなかで線になっている。樋口一葉が夏目漱石の兄(あるいは本人)と縁談があったことなど紹介されていて興味深かった。2018/05/20