内容説明
樋口一葉から阿部和重まで。書き下ろし谷崎論はじめ批評的営為を集成。
目次
樋口一葉
夏目漱石
芥川龍之介
谷崎潤一郎
大岡昇平
安岡章太郎
河野多恵子
後藤明生
古井由吉
金井美恵子
中上健次
村上龍
島田雅彦
阿部和重
著者等紹介
蓮実重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年東京生まれ。フランス文学者・表象文化論・映画評論。前東京大学総長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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しゅん
7
歴史的な地理関係を重んじる前田愛の樋口一葉批評に対して、新しく開かれた土地、つまり「新開」をめぐる『たけくらべ』の描写は歴史的場所にとどまらないと批判する。谷崎論が面白かった記憶があるが、細かい記述が思い出せない。著者が「魅せられる」のは、事実の記録とフィクションの同居、あるいはせめぎあいではなか、という予感がある。2025/01/06
halow
2
蓮實重彦が小説を比較的素直に誉めている文章が集められており、そこそこ不気味。2022/03/12
たぬき
0
樋口一葉論を読み直したくて再読。共存し得ないものの統合を具体的なテキストに沿って描いている点で、大杉重男『小説家の起源: 徳田秋声論』と近いモチーフ。 歴史と告白。 2024/03/05
兵頭 浩佑
0
平均して大体日に一人ずつ、日記を書くように味わって読んできた。一葉と谷崎以外は全て雑誌編集者からの「注文原稿」とのことである。それをどこまで信じるかは別にして、まさに某誌での金井美恵子との対談で表明されていたこれがあの「人生の問題」、その中でもとりわけ「魅せられて」しまった作家達に対する幸福な言葉の「パフォーマンス」ということになるのかもしれない。あるいは単にこの著作をアリバイにして、不幸な作家達に対して自由に「正しくない」ことを書くのかもしれない。いずれにせよ、小説の美しい細部/言葉で満ちた日々だった。2022/07/24
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