内容説明
この憎悪はどこから生まれたのか?兄と弟の壮絶な家庭内ストーキング。史上最年少・17歳。第40回文芸賞受賞作。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年10月19日生まれ、一七歳。埼玉県在住。現在、都内高校三年在学中。2003年、『黒冷水』で第40回文芸賞を受賞する
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感想・レビュー
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てち
136
憎悪や恨みといった、黒々しい冷たいものが我々の体の中に流れている。その黒冷水を同性の兄弟を用いて描いている。なんといっても、終わりかたが良い。改心したかと思いきや、果てしなく続くバトル。これを17歳で書いたとは驚きだ。2020/11/27
mmts(マミタス)
129
羽田圭介さんはきっと一人っ子ではないよね。兄弟、姉妹が居るんだろうな。さすがに漁るつもりじゃなく私は兄や妹とは漫画くらいは無断借用は暗黙の了解だったから、ある程度は共感出来たかな。個人的には、あの弟が壊れた描写には金八先生のシュウが思い浮かびました。ヤク中で壊れる雰囲気が似てるだけで、この小説と金八先生のシュウは無関係ですが。あっ、これは親が悪いのでは?これを放置する親が一番悪魔じゃん。心理戦による喧嘩じゃなくカッターの替え刃とかにはビックリしましたけど。まあ、この小説は面白かったかな。ラスト、謎だった。2015/06/19
優希
108
一言でまとめれば陰湿な兄弟喧嘩。しかし、そんな簡単な言葉に当てはめられないほどの恐怖がありました。兄弟がいれば誰もが持ちそうな劣等感やプライドですが、そこに様々な感情が混じり、喧嘩から「監視」「報復」まで至るドロリとした闇のようなものを感じずにはいられません。兄の部屋を漁る弟に対して抱く兄の殺気に近い想いに鳥肌が立ちます。兄の部屋を偏執的に漁る弟も異常ですが、兄の感情はより異質でした。兄弟の話が主軸にし、憎悪の『黒冷水』を描くことで、読者と作者の関係に落としこむ怖さに著者の無限の可能性を見た気がします。2015/10/03
りょうこ
79
《図書館借り本》羽田さんが気になってたので、どんな感じの作品ですか?と聞いたら『えげつない兄弟喧嘩話w』と言われたので気になって読んでみた!本当えげつない兄弟喧嘩話だった(笑)これを17歳で書き上げた羽田さん!他の作品も気になります!2015/10/11
ぷっくん
78
羽田圭介さん初読み!この人は頭が良さそうだなぁとTVで勝手に想像してしまったけど…これはなかなか面白かった^ ^兄弟バトルがすごくエグいし笑。しかしそれだけにとどまる事ないラストの後味の悪さw。怖いよ、本当に笑。17歳の少年がここまで描くのなんて、それだけでも衝撃作ですね^_^私はひっくり返していただきました☆2016/04/16