内容説明
鏡花の「不吉な力」へ―従来の鏡花読解を根底からくつがえした伝説の名著・増補復活。
目次
序章 幻想文学論序説―正岡子規「叙事文」から
第1章 幻影の杼機
第2章 夢の符牒・符牒の夢―『春昼』『春昼後刻』論
第3章 時のまぼろし
第4章 杼機と傀儡―
第5章 余白の描跡―散文の「詩」性について
第6章 視(よま)れることば―鏡花のルビについて
補論 連接機械―『風流線』にむけて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なめこ
4
『言葉と奇蹟』に再録されているんだということに読み終わってから気が付いた。学生のときこの本と出会っていたからこそ鏡花をたのしんで読めるようになったのだとおもう(いや、たのしめるようにはなったけれど、読めるとはまだまだ言い難いかもしれない)。『春昼・春昼後刻』論は再読でもやはり鮮烈で、春昼初読時には、突拍子もない△□○という記号の出現にたじろぐしかなかったけれど、たいせつなことはテクストにすべてが書いてある(あとは読めるか読めないかの問題な)のだということを改めて。2015/10/22
じん
2
「しかし、ぼくらの視線(よみ)がこの種の些末さに耐えることができないのなら、少なくとも「泉鏡花」と名ざされる作家はほとんど何ものでもありえぬのだし、逆にいえばだからこそ、「近代文学」は久しくこの作家を無視しつづけてこられもしたのだ。」 「可能性」に「ことば」とルビをふる本書のような姿勢で鏡花を読んでいけたらすごい、読んでいきたいと思った。こんなに自由で鏡花の魅力を引き出す読みができるなんて衝撃でした。2017/09/19
gM
0
再読2013/01/19
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