内容説明
新しい青春の神話へいどむ文芸賞作家、待望の長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ありえない犬
3
今まで読んでいた本の中でもベスト中のベスト。人におすすめして、読んでくれるようなので再読。1人の人間の隣りに居てこんなふうに色々と思われたり思ったり、幸せだと思う。黙読していても文のリズムが心地よくて、しばらく脳内の文体が雨森零っぽくなるのも毎度のこと。電子でもいいから河出書房には出してほしい。雨森零の文体のリズム、比喩の量、質、いつまでも頭にのこるエピソード…どれをとっても一級品だ。この作家に出会えて幸せです。2024/04/26
Ayaka
3
人生で一番好きな本だな、と思ってから早6年。何度か読んでいるけど、毎回、読み終わった後の感覚は同じ。 僕はいつも満ち足りている。そしていつも何かに飢えている。僕はいつも完成している。でもいつまでたっても未完成だ。それでいいと思っている。2017/07/16
moga
2
読み始めは、主人公の置かれている状況がさっぱり理解できずなかなか読みずらかったが、中盤以降どんどん惹きこまれていった。前作「首飾り」につながっているようで全く別のようで…。この2作品で執筆が止まってしまっているのがとても惜しい。とりあえず再読してもっと深く理解したいと思う。2013/08/16
Ayaka
2
人生で最も好きな本。2011/01/11
いっち
1
男2人が画家になるためアメリカで貧乏生活を送る。いつまで経っても絵は売れない。安アパートは害虫の巣窟。ピラミッドを作るか逆ピラミッドを作るか。社会性を排し何かに特化して生きることと、何かに特化するのではなく社会性を持って生きること、どちらがいいか。仮に特化したものに萌芽が見られなくても突き進めるか。ある人にとっては魅力的に思える人であっても、別の人から見たらそう感じない人。才能がない人が月の裏まで走って夢を追うのは正解か。「どのような種類の仕事であっても、その性質に創造を少しも含まない仕事など存在しない」2018/07/19