内容説明
遠い日、はるかな森、ぼくら3人が育てた悲劇。第31回文芸賞受賞作。選考委員、読売新聞(カポーティを連想…)の激賞を浴びた24歳のみずみずしい才能、誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shi
4
中学生の時に初めて読みました。その時は国語のテスト問題でしたが、わずかな文書でも、はっきりと虹沢の光景が脳裏に焼き付いてしまったようでした。 慣れないネットで色々検索して、やっと虹沢の話が「首飾り」という作品だとわかりました。 ハードカバーの本を買ったことがなかったので少々躊躇しましたが、爽やかで、激しく、色鮮やかな物語は、中学生だった自分にピタリと嵌まり、後の人生観にも大きく影響したと思います。 雨森零さんのこの瑞々しい処女作は、きっと読む人の心に何かを残すものです。 是非々々御一読下さい。
ハミーネス
4
自分にとって唯一無二の小説。余りに好きなので読み返せない。本を読んでいる間、自分は確かにあの森にいた。2013/05/18
eazy
4
非常に素晴らしい、繊細で丁寧で、心に残る青春小説です。 こういうのを高校生の頃に読んでおけばよかった。ある山奥の寒村で兄弟のようにして遊び育った2人の少年と1人の少女の 真っ青な湖水の表面のようにきらめき雪の納屋のランプの光のようにせつないお話しです。
pepin
3
命の塊のような火花が山奥で黙々と煙をあげ、匂いは風に流されあたりに充満し、バチバチと爆発音を響かせていた。二極化では表せない三人。どうしようもなく、それしか出来ず、蛇のように体を捻り動かしながら前に進む。強く刹那い「生」に当てられた。2015/07/31
moga
3
なんともせつない小説。 山深い森の中で、3人の子供たちが送るとてつもなく濃厚で親密な数年間。時間の経過とともに少しずつ変化していく互いへの感情。永遠に続くと信じていた輝く「今」が消え去ったときの無力感。 内容とあわさって、とても緻密な描写が心に残る作品でした。2013/07/26




