内容説明
時代の薄明に対峙するあえかな言語の閃光。八十年代詩に訣別し、来たるベき詩への扉をひらく鮮烈な処女詩集。小野梓記念芸術賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
13
この人はきっと冷たい手をしているのだろうと思った。ここで言いたいのは「冷たい」ことよりもそれが何かを掴もうとしている「手」であることで、私にとってはこの手の冷たさがむしろ心地よく、気づけばいつのまにか引き込まれている、という感覚を覚えた詩篇がいくつもあった。それはこの詩集にたびたびあらわれる水のイメージ(水槽、雨、泳ぐこと、等々)とも共通している。水はまず温度を私に伝え、私も次第に水にむけて無意識に温度を放ちつつ、身体を自覚していく。「わたしたちは水のなかにいるように/水のなかにいた」。2019/08/08
k
0
『兼業詩人ワタナベの腹黒志願』の著者がこんないい詩を書いていたとは。恐れ入る。2012/04/23
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