内容説明
ある女子高で、一番美しく一番カリスマ性のある女生徒が死んだ。その一週間後、親しかった六人が部室で語り出す、彼女の死の真相とは?
著者等紹介
秋吉理香子[アキヨシリカコ]
早稲田大学第一文学部卒。ロヨラ・メリマウント大学院にて、映画・TV製作修士号取得。2008年、「雪の花」で第三回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞。2009年、受賞作を含む短編集『雪の花』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yunemo
330
やはり男は女に勝てない。この年代から潜在的に持つ悪意を、年を経ることによって磨きをかけていくんだろうな。なかなか男の世界には理解しがたいのかも。いくつか読了した中にも、世代は違いますが、複数の女の方々の生き方、心の思い、葛藤を表したものに触れましたが、この年代から出来上がっているんだ。作者は違いながらも、女の情念の世界を表すと、方向性は固まってくるのでしょうね。確かに難しい世界、これをこうした表現方法で男の淡い幻想を見事なまでに崩してくれました。改めて感嘆の気持で一杯!2013/07/14
寂しがり屋の狼さん
255
聖母女子高等学校。ある日、文学サークルの会長が謎の死を遂げる。事件の後に行われた文学サークルの定例会。そこで語られるのは前会長『白石いつみ』の物語。メンバーが自ら綴った『いつみ』の物語は女子高ならではの日常…派手さが無い分、余計に怖い(>_<)2019/12/23
おしゃべりメガネ
231
ここ最近読んだ本の中では、かなりインパクトのある作品でした。テレビや雑誌で話題になるのも、口コミで広がるのも納得の内容でした。とにかく展開が素晴らしく、ミステリーの醍醐味を十分に味わせてくれました。‘騙される’とはちょっと違ったミスリードに次々と驚かされてしまいます。最後の最後まで着地点の見えない展開は、まさしく手に汗握る記述で、完全にヤラレてしまいました。湊かなえさんの『告白』や真梨幸子さんの『殺人鬼フジコ』などがお好きな方は是非どうぞ!2013/08/11
たっくん
218
初めて読む作家さん。ある女子高の文学サークル。闇鍋をしながら、非の打ち所のない生徒の死の真相を書き綴った物語の朗読をそれぞれのメンバーが行う。可愛く明るい生徒たちであるが、徐々にその暗黒の部分が明らかになってゆく。「すずらん」がキーワード。すずらんには毒があるという。みんな暗黒女子なのか。2013/10/20
黒瀬
198
程よいイヤミス。ミッション系の名門女子校で最も美しいカリスマ的生徒であった白石いつみが亡くなって一週間。親交の深い文学サークルのメンバーが集められ、まるで犯人探しのようにそれぞれの視点でいつみとの関わりが描かれていく。はじめに訪れる違和感は二人目のお話の途中。続いて三人目、四人目も同様。これはどういうこと?まさか黒幕は…と思っているとその先にさらなる主役が潜んでいました。死をもって完結とするなら、それを見届ける人が必要ですからね。穢れていながらも高貴で高潔な、もっと余韻に浸りたい物語でした。2020/04/24