内容説明
現在、太宰治を読み始めたあなたに。過去、太宰治を読んでいたあなたに。永遠の青春文学として読み継がれる太宰の全貌!
目次
第1章 含羞のために死す―信天翁
第2章 惚れたが悪いか―カチカチ山
第3章 猫だって鳩だって鳴いてる―新ハムレット
第4章 吉か凶か―メリイクリスマス
第5章 タンポポの花一輪でも恥じずに―葉桜と魔笛
第6章 M・C(マイ・チェーホフ、マイ・チャイルド、マイ・コメディアン)―斜陽
第7章 稲妻・あーこはーよせやい―チャンス
第8章 身と霊魂をゲヘナにて―トカトントン
第9章 あこがれの桃源郷もばかばかしい冬の花火さ―冬の花火
第10章 あやまちを犯した女は優しい―書簡
第11章 あはれ わが歌 虚栄にはじまり―走り書
第12章 あなたを待っていたのじゃない―春の枯葉
第13章 威張るな!―親友交歓
第14章 子供よりも親が大事―桜桃
第15章 私ひとり、黄昏の海―海
第16章 無憂無風の情態―津軽
終章 お茶のあぶくにきれいに私の顔が―葉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
6
「本当に愛しているならば、無意識に愛の言葉も出るものだ。どもりかながらでもよい。たった一言でもよい。せっぱつまったら言葉が、でるものだ。猫だって、鳩だって、鳴いているじゃないか」太宰の書くこうした言葉を読むとな生の恥かしさ、エネルギーのようなものを感じる。それを指して「含羞の人」と言うものと思っていた。本書では太宰の玉川上水の心中を「含羞のために死す」書いている。こちらの長年の思いと違っている。恥かしさのために死ぬだろうかと思うが、太宰と親交のあった著者の回想録であり異論を挟むのは恐れ多い。2021/01/21
Bibibi
1
この本で含羞という言葉を覚えた。太宰とハニカミ、納得します。2007/09/08