出版社内容情報
《内容》 苛酷な視環境,複雑なストレス社会の愁訴を解き明かす!!
精神医学的な側面からもアプローチした好著!!
本書は,種々の愁訴を有して編者らの医療機関を受診した実際の症例を用いながら,どのように診断したか,あるいは診断しにくかったか,また,どのように解決したか,あるいは解決しにくかったかを,率直に書いたものである。第1章では,目や目の周囲の愁訴を,第2章では視覚に関する愁訴を取り上げた。第3章ではそうした,多彩な不定愁訴,不明愁訴や疾患特異的な訴えがどう表れるかを,今度は疾患の側からみて,具体的に述べた。第4章は,眼科における不定愁訴の雄ともいえる,眼精疲労をとりあげ,これをできるだけ分解して解明しようとこころみた。そして,第5章は,これこそ類書がないであろう,目や視覚のさまざまな愁訴を,精神医学の立場から取り上げた。患者さんへの的確な診断と説明に本書をお役立ていただきたい。
《目次》
■おもな内容
●目の不定愁訴
目がかわく Column真の乾燥と乾燥感/涙がでる/目の違和感,存在感-しょぼしょぼ,ごろごろ,しみるなど Column眼表面に異常がみつからない場合・しみるという感覚-点眼薬を例に-・眼表面の生理/目の痛み Column眼痛と頭痛/目が重い Column眼瞼,瞼裂幅に注意/瞬目が多い,少ない Column瞬目の生理学/眼を開けていられない Column眼瞼痙攣と開瞼失行症/目が変,目の位置が変 Column斜視がもたらす訴え/片目で見ると揺れて見える
●視覚の不明愁訴
ぼける,ピントが合わない/羞明とは Column真の羞明と羞明感/視覚性運動盲 akinetopsia-動いているものを見ていられない-/黒いものが見える/光がみえる,飛ぶ/一瞬暗くなる,視野が欠ける Columnいつも明るさに左右差があるとき/歪んで見える,小さく見える/色が変/自覚されたマリオット盲点/ものが2つに見える Column複視/ものが揺れる Column眼振のない動揺視/種々のおかしな愁訴
●多彩な訴え,特異な訴えをもつ疾患
三叉神経痛,顔面痛/強度近視患者の中心暗点/ドライアイ/結膜弛緩症 Column眼表面異常のもたらすもの/アレルギー性結膜炎/マイボーム腺機能不全/涙道機能不全/眼科手術後の不適応/眼瞼下垂を示す重症筋無力症/甲状腺眼症/Red eyed shunt syndrome(Dural AVM)赤眼短絡症候群/眼瞼痙攣/輻湊痙攣 Column近見三徴候とその異常/Tonic pupil (瞳孔緊張症)/斜視 Column麻痺性斜視に対するプリズム眼鏡の適応/複視/白内障/緑内障/網膜疾患/視神経疾患/頭頸部外傷後遺症と中毒性疾患/Oculogylyc crysis(眼球上転発作)
●眼精疲労を分解する
眼精疲労総論/基本となる調節屈折の理解と矯正/過矯正と眼精疲労/近見障害と眼精疲労 /眼疾患と眼精疲労/頭位異常と眼精疲労/今日の視環境・労働環境と眼精疲労/化学物質過敏症と目/眼科からみた心因性視力障害/眼精疲労と心身のストレス
●心療神経眼科からのアプローチ
幻視,錯視/心因性視覚障害/変形視/目つきが悪い,視線が漏れる/身体化障害,転換性障害 Column単一症候的に目の異常を訴え続ける症例(鑑別不能型身体表現性障害)/疼痛性障害/心気症/虚偽性障害(詐病,詐盲)/てんかん発作としての視覚異常/中枢神経作動薬と目の異常
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- 和書
- 猫のこよみ 〈2018〉