出版社内容情報
《内容》 序より抜粋
乳癌は現在,女性癌の第一位を占めており,今後益々増加することが予想されている一方,乳腺の診療においてはその進歩はめざましく,一般臨床医,コ・メディカルのみならず乳腺専門医においても,その対応に苦慮しているのが現状であります。また乳腺の診療においてはエビデンスに基づいた診療が基本であり,薬物療法をはじめ,そのガイドラインは現在乳癌学会で作成中であります。しかしEBM(Evidence Based Medicine)の時代にあっても,乳腺専門医やコ・メディカルの長年の診療経験から得られたちょっとしたコツや秘訣などは,実際の臨床の場では非常に有益であります。多くの経験から得られた知識や知恵は現代の医療に大きく寄与するのみならず,患者中心の医療が叫ばれている現在,重要な役割を果たすものと思われます。
そういった状況の中,今回金原出版のご協力のもとに乳癌診療二頁の秘訣を刊行できますことは,医療側,患者側の両者にとっても非常に喜ばしいことであります。編集するにあたり,従来の教科書,成書とは違い,現在乳腺診療の第一線で活躍されています152名の先生方に,長年の経験から得られた診療にあたっての心構え,成書に載っていない診療のコツやピットフォール,また患者との対応のコツなど,検診,診断,手術,薬物・放射線治療,インフォームドコンセントなど多岐にわたり,先生方自身がテーマを決めて自由に執筆していただきました。項目別に編集しましたので非常にわかりやすく,実際の診療現場で問題点に遭遇した際には手引書として参考になるものと思います。
《目次》
■疫学・検診-疫学
乳癌の疫学と予防
■疫学・検診-検診
乳房自己検診の指導/他6項目
■診断-視触診からの診断の進め方
視触診のコツとピットフォール/他5項目
■診断-診断のコツと実際の診断法,鑑別
乳房痛としこり-乳腺外来診断のコツ-/他7項目
■診断-非触知,乳頭分泌,非浸潤癌への対応
誤診を防ぐ診断の進め方/他9項目
■診断-画像診断
乳癌の診断-触診とマンモグラフィ-/他12項目
■診断-細胞診,CNB
乳腺穿刺吸引細胞診のコツ-scirrhousもDCISも細胞診だけで十分診断可能である-/他5項目
■手術-良性疾患
慢性乳輪下膿瘍根治術のコツ/他2項目
■手術-SNB
色素のみによるセンチネルリンパ節生検で偽陰性を減らす方法/他7項目
■手術-温存術
乳癌縮小手術のコツ/他20項目
■手術-切除,郭清
整容性に配慮した乳癌手術の選択の指標:乳房切除率/他2項目
■手術-日帰り手術
乳癌の日帰り手術手技とその要点/他1項目
■手術-形成,再建
乳腺外科への菱形皮弁術の応用/他5項目
■手術-その他
医師の診察と手術/他1項目
■病理,ホルモンレセプター,腫瘍マーカー
病理報告書の読み方/他5項目
■診療ガイドライン・再発診断
診療ガイドラインの生かし方/他3項目
■薬物療法-外来治療
乳癌の外来化学療法-QOLの向上を目指して-/他3項目
■薬物療法-進行・再発治療
転移性乳癌治療の組み立て方/他5項目
■薬物療法-術前治療
乳癌術前化学療法の最前線/他2項目
■薬物療法-化学療法,ハーセプチン,ビスフォスフォネート
進行・再発乳癌に対するAT療法/他3項目
■薬物療法-ホルモン
変わり始めたtamoxifenの投与法/他5項目
■薬物療法-制吐薬
制吐薬(デカドロン(R))の標準的使用と落とし穴/他2項目
■薬物療法-妊娠,高齢者,その他
乳癌薬物療法と妊娠/他2項目
■放射線治療,後遺症 知っておきたい照射後の副作用/他3項目
■インフォームドコンセント
Informed Consent/他7項目
■その他
乳癌と患者と場/他4項目
内容説明
本書では、乳癌の診療について、従来の教科書、成書とは違い、現在乳腺診療の第一線で活躍されている152名の先生方に、長年の経験から得られた診療にあたっての心構え、成書に載っていない診療のコツやピットフォール、また患者との対応のコツなど、検診、診断、手術、薬物・放射線治療、インフォームドコンセントなど多岐にわたり、先生方自身がテーマを決めて自由に執筆していただいた。
目次
疫学・検診(疫学;検診)
診断(視触診からの診断の進め方;診断のコツと実際の診断法、鑑別 ほか)
手術(良性疾患;SNB ほか)
病理、ホルモンレセプター、腫瘍マーカー
診療ガイドライン・再発診断
薬物療法(外来治療;進行・再発治療 ほか)
放射線治療、後遺症
インフォームドコンセント
その他
著者等紹介
光山昌珠[ミツヤマショウシュ]
北九州市立医療センター副院長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。