出版社内容情報
《内容》 おもな改訂点
1)T分類:これまで曖味さを含むと批判されていた6因子(CH,DU,S,RP,PV,A)の4段階の局所進展度判定(0:なし,1:疑わしい,2:明らか,3:高度または他臓器浸潤)による分類を止め,新たに膵外神経叢浸潤(PL)を進展度因子として加え,さらに規約第4版のS3,RP3に相当する他臓器浸潤を他臓器への浸潤(OO)として一括し,8因子(CH,DU,S,RP,PV,A,PL,OO)の浸潤の有無(あり,なし)で判定しT分類を記載するようにした。
2)N分類:リンパ節の群分類を大幅に改め,通常の切除により含まれるリンパ節を1群とし,さらにリンパ流,リンパ節転移率および予後の成績に基づいて2群,3群を規定し直した。またリンパ節12番と14番の分類を簡素化した。
3)M分類:これまで3群を超えるリンパ節転移を遠隔転移(M1)としていたが,3群(N3)を含めてM1とした。
4)Stage分類:全国膵癌登録症例のデータに基づき,T因子別生存曲線はT1>>T2>T3>>T4で,N因子別生存曲線はN0>>N1>>N2>N3であることから,TとN分類の重み付けをほぼ同等にするStage分類を採用した。
5)根治性の評価(Curability)を廃し,局所癌遺残度の評価(R分類)を採用した。
6)病理分類としては,膵管内腫瘍(IT)を膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMT)と膵管内管状腫瘍(ITT)に分類し,さらにこれまで混同されぎみであった粘液性嚢胞腫瘍と膵管内腫瘍の特徴を明記した。
《目次》
緒言
記載法の原則
所見の記載法
原発巣の記載/転移の記載/進行度
外科的治療
手術の種類/膵切除式の記載/切除断端および剥離面における癌浸潤の有無の判定/リンパ節郭清度の分類/局所癌遺残度の評価
治療成績
切除材料の取扱いと検索方法
切除膵(または摘出膵)の取扱い/切り出し方法
膵腫瘍の組織所見
膵腫瘍の組織型分類/癌の間質量/癌の浸潤増殖様式/リンパ管侵襲/静脈侵襲/膵内神経浸潤/主膵管内進展/組織学的分類の説明
附図(カラー組織写真71図)
付.TNM分類(UICC)第5版(1997)