出版社内容情報
《内容》 腫瘍の発生は,環境因子,宿主の体質,および発生臓器・組織に左右されるなど,それだけで大きなテーマである。この発生に関連して,疫学の立場から,わが国の消化器癌パターンの変遷について記述,さらに家族性大腸癌の現状について解説した。一方,癌の自然史では,癌がどのようなメカニズムで発生し,増殖・進展するか,また各ステップはどのようなスピードで進行するか,どのような変化がメインルートであるかなど,様々な問題がある。自然史をみる上でどのような点が問題となるかをわかりやすく記述した。 《目次》 1)総 論●消化管癌の時代的変遷●癌の自然史のキネティックス-1個の癌細胞から臨床癌まで-●がんの発生と進展-遺伝子の立場から-2)各 論●食 道食道癌の発育進展に関する検討/食道癌のメインルート-遺伝子,分子生物の立場から-/Barrett食道の進展と腺癌発生●胃胃腺腫の本態と経過/早期胃癌から進行胃癌へ-X線像から-/高齢者胃癌の特徴と自然史/スキルス胃癌の中のLinitis plastica型癌-その発生,発育進展過程そして早期発見のための標的病変-/特殊な胃癌の診断と経過/胃悪性リンパ腫の自然史/Helicobacter pylori感染の診断と除菌による変化/胃癌のメインルート-遺伝子の立場から-●大 腸大腸癌のメインルート/PG,NGP癌の診断と自然史/大腸癌への発育・進展-X線像の遡及的検討-/家族性大腸癌-遺伝性非ポリポーシス大腸癌-/Colitic cancerの発生,発育進展/大腸癌の発生と進展-遺伝子の立場から-