内容説明
高度成長時代における日本の都市づくりをリードした高山英華。若いころベルリン・オリンピックのサッカー日本代表候補となり、戦後はオリンピック、博覧会、ニュータウンなど、国家的プロジェクトをまとめながら、裏通りの居酒屋をこよなく愛した庶民派であった。教育者として全共闘学生にも敬慕されたその豊かな人間性を通して、都市計画・まちづくりのあるべき姿を描く。
著者等紹介
東秀紀[アズマヒデキ]
作家/首都大学東京教授。1951年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。ロンドン大学建築・計画学部都市計画学科大学院修了。英国王立都市計画家協会正会員。主著に『ヒトラーの建築家』(NHK出版、日本建築学賞会文化賞)、『鹿鳴館の肖像』(新人物往来社、歴史文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ルンブマ
5
戦後の都市計画家高山英華は自身の仕事の中でも駒沢オリンピック公園の設計には中心となって、かつてないほどの思い入れをもって手掛けた。その思い入れの理由とは、ただ単純に「サッカーが好きだから」。 なんてくだらないんだろう。くだらなすぎて清々しい。人間らしい。素晴らしい。2019/10/31
Naoya Tomihisa
2
☆☆☆戦後日本の都市計画を仕切り、東大都市工学科の生みの親にして、駒沢オリンピック公園をグランドデザインした人物にしては名を知られていない人の半生。これを読めば日本の都市計画史の概要が分かります。2度目のオリンピックで騒がれる国立競技場だが、オリンピックレガシーを叫ぶのなら、建物ではなく代々木をどうするかという視点が抜け過ぎている。その企画着想の点において、駒沢公園こそ真のオリンピックレガシーなのだなとつくづく。日本人は50年後に2020年の東京五輪をどう語るのだろう。2015/08/31