出版社内容情報
どのような制度も、そこに込められた「情感」を欠いては人の心を動かすことはできない。
今にして思えば、復興の最前線で真に求められたのは、この「情感」の質と量ではなかったか。
著者たちの挑戦もそこにあったのだと思う。――内藤廣(建築家・東京大学名誉教授)
内容説明
多くの地域で用いられる手法でありながら、画一的で無個性な空間を生んでしまうイメージが強い「土地区画整理事業」。その土地区画整理事業を通して、「地域らしさを継承するまちづくりは可能か」を東日本大震災の復興事業において、著者らが携わった岩手県大槌町町方・吉里吉里地区での実践をもとに論じる。
目次
序章 復興区画整理と地域らしさの継承
第1章 東日本大震災の復興区画整理における地域らしさ継承の試み
第2章 町方地区の復興まちづくりと公共空間デザイン
第3章 吉里吉里地区の復興まちづくりと公共空間デザイン
第4章 復興まちづくりにおけるコミュニティのかたち
終章 地域らしさを未来に継承する復興に向けて
著者等紹介
福島秀哉[フクシマヒデヤ]
株式会社上條・福島都市設計事務所共同主宰。東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻客員連携研究員。1981年埼玉県生まれ。岩手県出身。2006年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻修了。小野寺康都市設計事務所、(独)土木研究所寒地土木研究所、東京大学大学院工学系研究科助教などを経て、2022年より現職。博士(工学)。専門は景観工学・土木デザイン
二井昭佳[ニイアキヨシ]
国士舘大学理工学部まちづくり学系教授。1975年山梨県上野原市生まれ。2000年東京工業大学大学院社会工学専攻修士課程修了、アジア航測(株)、東京大学大学院社会基盤学専攻博士課程を経て、2007年より現職。博士(工学)。専門は、景観工学、土木デザイン、防災景観論
岡村健太郎[オカムラケンタロウ]
近畿大学建築学部建築学科講師。1981年兵庫県生まれ。2004年東京大学工学部建築学科卒業。2014年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。東京大学生産技術研究所助教を経て、2019年4月より現職。博士(工学)。専門は、都市史・建築史・災害史
五三裕太[イツミユウタ]
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻博士課程、日本学術振興会特別研究員(DC1)。1996年東京都生まれ。2019年東京大学工学部社会基盤学科卒業、2021年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻修士課程修了。2021年4月より博士課程に進学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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