感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
自ら建築事務所を構える前年(1911)、著者はギリシャからトルコへ半年間旅をし、その旅行記を出版するはずだった。が、第一次大戦でその作業は中断され、50有余年の時を経て死の数週間前に校正し、死後出版されたのが本書である(1966)。古代ギリシャの神殿やイスラムのモスクの建築を歩き、デッサンし、異国の人々と出会い、飲みかつ食べる記述が続くこの旅行記は建築書ではない。が、オーギュスト・ペレのもとで働き、グロピウスやミースも所属していたベーレンスの事務所にいた著者は、様々な近代建築のヒントを東方の地に見出す。2025/06/14