感想・レビュー
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roughfractus02
8
部屋の装飾である「壁紙や緞子」に代えて「リポラン塗料の白色の純粋な塗装」をすることは、住む者を神殿の番人の役割から解放し、部屋の隅の闇を消して住宅を人間中心の「住む機械」に変えると著者は考える。19世紀中盤の実用芸術への回帰を試みる著者は、インテリアを必要型/道具型と機能型/家具型に区別して装飾的な室内を生活の機能の場に変えようとした。ここから建築の規格化・標準化を梃子に、著者はバウハウスの建築にも見られるマスからスケールへの転換を、室内、住居、集合住宅、都市へ拡張する(本書は著者の弟子前川國男の邦訳)。2025/06/06