出版社内容情報
アメリカが生んだ近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト。本書は、ライトが遺した偉大なる膨大な業績を紹介し、その建築と思想との関連を論じる、ライト研究の格好の入門書である。
主要目次:
帝国ホテルの設計者
ライトの生涯
誕生―1867年か9年か
フレーベルの恩物
シカゴへ―サリヴァンの事務所
シカゴ博
第一黄金時代1
第一黄金時代2
不幸、逆境
アメリカからの逃避―ドイツと日本
第二黄金時代1
第二黄金時代2
遺作
ライトの位置
有機的建築についてのメモ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
神から機械へ移行するアメリカ的ルネサンスは工業化を推進し大地を破壊した後に自然を見出すとしたL・マンフォード『褐色の30年』に取り上げられたF・L・ライトは、新古典主義が流行する19世紀末にプレーリー様式の建築で一世を風靡する。彼の評伝である本書はその後来日して帝国ホテルの建築に携わる1910年代から誕生まで遡り、さらにシカゴ博、スキャンダルとヨーロッパ放浪、帰国後の2つの「黄金時代」、その後の不幸という伝記的記述と共にカウフマン邸や落水荘等の建築作品を辿り、自然と融合するその様式を「有機的建築」と呼ぶ。2025/09/17
水無月十六(ニール・フィレル)
2
帝国ホテルの設計者、ライトについての入門書。わかりやすくというより、基礎的なところを細部を適度に端折りつつ解説したような構成なので、多少内容に追いづらいところがあった。そもそも自分が建築に明るくないせいもあったろうが、建築ひとつとっても奥深いものなのだと知ることができ、ライトについての書籍ももっと読みたくなった。2022/02/18
伊東
1
ライト初心者なので人となりを知るうえで多くためになった。 この黒本?の特徴なのか、説明がとっちらかってる印象で書き方がまどろっこしく感じた。だからこんな事があってこんな作品つくったよーっていうのはわかるけど、例えば草原住宅のどの建物の説明なのかっていう詳しく知りたい時はうーんという感じ。謳い文句通りのライト入門書。2020/05/23
髙橋佑弥
1
携帯電話を別所に置き去りにしての喫茶店作業、効率がやばい。ぼっーとしたり、仮眠一時間を含めた三時間弱の滞在で、今週読もう読もうと思って全く進まなかったコレが片付いた。 ニコラス・レイについて調べていて、タリアセンおよびライトの建築について知る必要があり手に取った。正直なところ、分量も少なく直球な"入門書"という感じで---同じような論旨の文章が何度も出てくるのはフラストレーションだったが---、ベースとなる知識の速習には良いかと思う。2019/11/26