内容説明
チラシの中のモダニズム。明治末から昭和初期、工業化社会と消費社会が産み出した、マッチラベルから絵葉書、パンフレットまで、魅力的な広告媒体の数々。都市生活と建築の関係をあらたに掘り起こす。
目次
第1章 先づ大大阪の繁華を御覧遊ばせ―百貨店とビルディング(包装紙に描かれた沿線;天空にひるがえる旗 ほか)
第2章 大きいやつをやらないかん―娯楽と観光(国技の殿堂;模範的娯楽場とエッフェル式高塔 ほか)
第3章 中堅階級の楽しきホーム―住宅と鉄道(処女地は往来者を待つ;中堅階級の楽しきホーム ほか)
第4章 奇矯に走らず、荘重に偏らず―ランドマーク(昭和の御代に現す威容;もっともセンセーショナルな建築 ほか)
第5章 東洋の魅力、西洋の快適さ―ホテルと旅館(日本最大、日本最高のホテル;関西の迎賓館 ほか)
著者等紹介
橋爪紳也[ハシズメシンヤ]
1960年大阪市生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、京都大学大学院工学研究科修士課程、大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。建築史・都市文化論専攻。工学博士。現在、大阪府立大学21世紀科学研究機構教授、大阪府立大学観光産業戦略研究所長。大阪市立都市研究プラザ特任教授。また、大阪府特別顧問、大阪市特別顧問、イベント学会副会長、大阪府文化振興会議会長などを兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナポリノロク
2
面白かった.大阪のことは正直あまりシンパシーを感じられなかったけど,西宮と宝塚と神戸のトピックは身近なので,その当時のことを想像しながら読めた.2013/03/16
とりもり
0
「文化としての建築」を、同時代の広告を通じて描写しようとする一冊。当時も今も、ランドマーク的な建物が話題になる構図には変化がないことが興味深い。惜しむらくは、この本に登場した建物のほとんどが現存していないこと。その意味では、ランドマーク性が喪失した途端に、「文化としての」建物は単なる一建築物に降格してしまうということかも知れない。現存していたら、殺風景な日本の街並みももう少し潤いがあっただろうと思える建物も多いだけに残念。関東編や全国編も期待。★★★★☆2014/03/02
Teo
0
タイトルどおりの内容を期待して購入。確かにタイトルに沿った内容で、完成時の梅田の百貨店とか難波の高島屋とか、当時の雰囲気が出ている。しかしながら東京の人間には今ひとつ身近な物が無くてその辺りが難儀した。東京編を期待したい。2013/08/04