内容説明
音楽ホールの魅力とは、良い音楽ホールとは、…。作曲家、指揮者、演奏者、プロデューサー、そして建築家が語る、音楽空間への熱き想い。音楽関係者、音楽愛好家、設計者にとって必読の書。
目次
第1部 音楽ホールの魅力とは
第2部 ステージサイドから見た音楽空間(作曲家と指揮者に聞く;オーケストラとソリストに聞く;主催者とプロデューサーに聞く)
第3部 アーキテクトサイドから見た音楽空間(音楽ホールの楽しみ方;音楽ホールの歴史;音楽ホールのデザイン)
第4部 音楽空間づくりの実践
資料編 年譜とホールデータ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
13
演奏する立場、鑑賞する立場、建設する立場、運営する立場などの、様々な面からコンサートホールの在り方を提示している本です。施設の構造の工夫に関しては「なるほど!」と思う所がたくさんあって勉強になりましたが、読んでいて一番印象に残ったのは「立地条件の悪い所にホールを作ってもお客は集まらない」という当たり前の指摘でした。ヨーロッパは伝統的に広場や教会などの「人が集まる場所」が街の中に存在し、そこに文化施設を作ってきた経緯がありますが、日本はそもそも「人が集まる場所」を想定した街作りをしてこなかったそうです。2018/04/02
manabukimoto
4
コンサートホールの魅力・意義・歴史などを芸術家・主催者・建築家など様々な角度から考察する一冊。 主催者にとっては「人がくるホール」、演奏家にとっては「良い響き」など、良いホールの定義は様々。 興味深かったのが「ホールタイプの継承と再考」p165。木目調のシューボックスタイプで「木の暖かみ」のあるホールの多さに対し「日本の設計者たちは、極めて安易な想像力に乏しい選択をしているのではないか」と厳しい指摘が(とはいえヨーロッパはシューボックス型再評価だそう) 社会的存在としてのホールという考え方。勉強になった。2022/02/02
そうま
0
良い響きのホールこそが良いホールだというのは「演奏家」である。ホールを「聴くこと」と「観ること」の関係性から考える。2015/01/18