内容説明
ダムは本当に不要なのか?ダムに代わる治水の堤防論や水利権に関する疑問点について、技術的検証に基づく理論で、本当の真実はどうなのかを、多角的な視点・様々な側面から検証。現場目線からの総合治水論。
目次
河川を国民の手に戻す
日本の河川の特徴
洪水災害大国・日本―いっこうに減らない河川災害の現状
洪水から国土を守る治水の知恵
切れない堤防の幻
氾濫を許容する“まちづくり”
水資源開発の知恵
ダムに関する数々の誤解と反省
大丈夫か日本の河川の水質
究極のクリーンエネルギーとしての水力発電
5つの気候異変と地球温暖化―日本の気象の激変を知る
天変地異・活動期に突入―日本の大地の現状を知る
百家争鳴・ダム是非喧噪
備えあれば憂い少なし
著者等紹介
竹林征三[タケバヤシセイゾウ]
1967年京都大学工学部土木工学科卒業。1969年京都大学大学院修士課程修了、建設省入省。琵琶湖工事事務所長、甲府工事事務所長等を経て1991年建設省土木研究所ダム部長。1994年建設省土木研究所環境部長。1996年建設省土木研究所地質官。1997年財団法人土木研究センター風土工学研究所所長。2000年富士常葉大学環境防災学部教授、付属風土工学研究所所長。2006年富士常葉大学大学院環境防災研究科教授(兼務)。2010年富士常葉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うゑしま
1
ダムカード集めからスタートして、カードのないダムも訪問するようになり、ついにここまで来てしまいました。 ダム不要論の本は多いけど、ここまでダム推進側によった本は珍しいのでは?2018/06/02
Yukio
0
前半部、近世や近代以降の水害やそれにまつわるエピソードを引用しつつ河川や治水のメカニズムを解説するあたりは旧建設省の現場技術者ならでは。 しかし、後半以降はダム擁護側の説明に偏っている上に、論理性にも欠き、残念。ダムの効用を主張したい気持ちはわからないではないが、あれではダム批判論者をより頑なにするだけであろう。 また、引用文献・参考文献が全く紹介されていない点も惜しまれる。自分が得た知識がどこに由来するかを示すことは、アカデミアに身を置く人間として、読者及び被引用文献著者に対する最低限のマナーであろう。2014/03/07