内容説明
「お願い、助けて」母と兄の懇願に、ジョスリンは動揺した。兄が父から受け継いだ会社が経営難に陥っているという。融資を頼めるのはただ1人、ラーフ・アンダースンしかいない。彼は裕福な経営者であり、かつては彼女の夫でもあった。姑にうとまれて彼女が孤立したとき、夫は冷たくあしらうだけで、愛から始まったはずの結婚生活はやがて破綻を迎えたのだった。3年ぶりに会う元夫の姿に、ジョスリンは今なお胸を熱くしたが、一方のラーフは冷たい口調で、融資の交換条件を持ち出した。それは、彼女に跡継ぎを産ませるための再婚だった…。
著者等紹介
ウィタル,イヴォンヌ[ウィタル,イヴォンヌ][Whittal,Yvonne]
南アフリカ生まれ。南アフリカの各地を舞台に、もつれる愛の物語を数多く描くロマンス作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
28
91年出版、南アフリカが舞台。アパルトヘイト後の混乱が続く時期だろうに、そういう描写がないのねえ。でも、厳しい土地の描写などは興味深かったです。看護師として働く女性が、兄に頼まれ融資のかたとして元夫と再婚するという仰天な再燃設定も設定です。男子はもっとひざまずくべきだと思うなあ。2020/03/30
糸車
20
実家の事業を救う為3年前離婚した元夫と会うことになったヒロイン。融資の見返りに再婚と後継ぎを産むことを求められて…。タイトルの「悪魔の谷」というのはヒーローの牧場の名前。ふたりの離婚の原因は実はヒーローの母親の悪意ある画策。妻を取り戻したいという割にひどい言葉を吐くヒーローに引く。それでも彼の苦悩は伝わるし、ヒロインも前の結婚生活の悪かった部分を認めていて以前の様な言動はすまいと努力している姿勢が○。わたしの好きな牧場もの。読み応えがありました。2019/11/22
ぽこ
9
ヒロインには姑や意地悪女の嫌がらせくらいでめげるなよと言いたいけれども、遅ればせながら嫁姑問題を解決しようと、家を増築して二人を引き離したりするヒーローは偉いと思った。2015/12/15
きき
4
姑との不仲が元で結婚生活が愛する女性を苦しめている事に胸を痛めて離婚を切り出す。日本でも似たような問題有るからかヒーローヒロインどちらにも寄り添いたい気になった。ヒロインを取り戻す為なら何だって遣るって決めたヒーローには好感持てる2015/11/30
ふじこ
3
過去の過ちを認めてヒーローがヒロインとの関係をやり直そうとしている姿には好感がもてる。やり直したいわりにその行動や言動は微妙だなぁ…と思うシーンもあったけど。最後は不仲だったお姑さんとも和解してめでたしめでたしでよかった。意地悪な近所の女にヒロインがビシッと言ってやったシーンはスカッとした。★★★☆☆2018/04/01