内容説明
なぜ今、ちょっとした親切や信頼感、異世代交流の重要性が見直されているのか?気楽な核家族を選びながらもジジ・ババのいる三世代同居に憧れるのはなぜ?人を育て、幸せにする地域社会の法則は、サザエさん一家の暮らす町にヒントがあった。社会学、民俗学、文化人類学の実証的研究から、私たちの日々の生活の根底に流れる人びとの「関係性」を読み解く。
目次
第1章 「サザエさん家族」と「クレヨンしんちゃん家族」、どちらがいいか
第2章 コミュニティの成立―生みの親より育ての親
第3章 コミュニティが担う「平凡教育」
第4章 見返りを期待しない親切と『サザエさん』の笑い
第5章 「自治会」と「まちづくり協議会」
第6章 知恵を授けるコミュニティ
第7章 予期せぬ優しさに出会う町を
著者等紹介
鳥越皓之[トリゴエヒロユキ]
早稲田大学人間科学学術院教授。1944年生まれ。社会学、民俗学、文化人類学の見地から環境やコミュニティ、伝統文化の課題を扱う。日本をはじめ諸外国のコミュニティを研究。また、行政、住民のリーダーたちと、コミュニティやまちづくりの方策について協議することが多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nさん
4
核家族が一般的な現代においても「サザエさん」のような三世代型の暮らしを理想的に感じる?のは何故だろうか。著者は「子育て」を例に上げ、三世代型に経験と労力の点に分があり、かつての社会は家族以外のコミュニティもその役割「社会的親」を担っていたという。コミュニティに関して、そこに文化が保有されており、参加するだけで受益がある「正統的周辺参加」や「社会関係資本」の機能を解説する。その他、柳田國男の「平凡教育」を「サザエさん」のカツオに見出す。コミュニティの利点は伝わるが、三世代同居が善かどうかは別の話だろう。2020/01/13
Tatsuya Hirose
1
【サザエさん的コミュニティの法則】 「サザエさん的」でうまく誘導している。内容はコミュニティについての分かりやすい分析。余談的なネタで紹介されていた「孤独なボウリング」が印象的だった。米国での実際の調査結果に基づくコミュニティの弱体化を表す言葉らしい。ボランティア、趣味のグループなどさまざまな数が減っているなかボーリング人口だけが減っていなかった。調べてみると、これまでは仲間でボーリングをやっていた人たちが、今でもボーリング場に足を運ぶものの、黙々と一人でプレーしいた。という現象があったらしい。2021/02/19
ウレイ
0
サザエさんに例えて説明するのは読者を引き付けるフックのようなもので、メインはコミュニティ論。でもそのサザエさんで説明している部分もその他のコミュニティ論も両方読み易くてものすごく面白い。重箱の隅をつつくようだけど、波平と友蔵を比較するのは間違っている。波平はカツオの父親であり友蔵はまる子の祖父なのだからポジションが違う。2011/11/13
Y_Kuroyanagi
0
20110119ー201101232011/01/23
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